祝福
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に行く。急いで彼女の部屋に行くと……、本に吸収されたはずのサバタさんがはやてちゃんに泣きながら抱き着かれていて、その傍で見たことのない美人で銀髪の女性が呆然と立っていた。
「おかえりなさい」
迎えの言葉を言うと、サバタさんがひと段落した事で息を吐いた。
って、あれ? はやてちゃん、自力でサバタさんの所に行ったの? 車イス無しで……という事は!
「はやて……あんた、その足……!」
「へ? なんやアリサちゃん、私の足がどうし…………え、立っとる? う、嘘やろ……私、立っとる!? ……あ」
認識したからか、足の力が抜けてはやてちゃんが崩れ落ちたけど、サバタさんがすぐに彼女を姫様抱っこで抱えてくれた。
「はやてちゃん、足が動くようになったの?」
「す、すずかちゃん……自分でも信じられへんのやけど、ついさっきまで感覚が無かった足が、今ではジンジンしとんねん。痛いのは急に使ったからやろうけど、それより私の足、動くようになったみたいなんや!」
「まるで奇跡だ。よかったね」
「ありがとう! でもどうして急に動くようになったんやろ……石田先生も原因不明言うとったし、それならなんで今このタイミングで…………まさか」
はやてちゃんはサバタさんと闇の書を交互に見つめる。自分の足が動かなかった原因が実は闇の書である事と、それをいつの間にかサバタさんが何とかしてしまった事に思い当たったようだ。
「あのな……私、誕生日教えてへんかったやろ? だから……サバタ兄ちゃんからプレゼントもらえるなんて……思ってなかったんやけど……でも、こんなプレゼント、反則やわ……! ありがとう……ありがとう、サバタ兄ちゃん……ありがとう……!」
「主……ぐすっ」
涙交じりに感謝の言葉を告げるはやてちゃんに、銀髪の女性がもらい泣きしていた。闇の中から奇跡を運んできてくれた配達人は、慈愛に満ちた眼差しで受取人から感謝の心を受け取ったのだ。
ただ……一方で私達の親友と、騎士達の姿が周囲に無い事に、私は不安を覚えた。
その時、庭から複数人が地面を踏む音がした。私とアリサちゃんが見に行ってみると、そこでは……暗黒物質の力も使った熾烈な戦いによる影響で気を失っているなのはちゃんと、自我を取り戻して青ざめた表情の騎士達の姿があった。
「なのはさんの健闘のおかげで周りに被害を出す事無く意識を取り戻したのだけど、彼女だけ妙な変異が進んでる。治癒魔法も効果が無いし、一体これは何なの!?」
「落ち着いて下さい、シャマルさん。私の力ならこれを止められます」
「ごめんなさい、迷惑をかけてしまって」
申し訳なく謝るシャマルさんはその後、無言で俯く騎士達を回復魔法で治療する。その間に私は、治
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