祝福
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〜〜Side of すずか〜〜
いきなりなのはちゃん達が消えて、結界を張ったのだと判断した私とアリサちゃんは、急いではやてちゃんの様子を見に行った。だけどはやてちゃんとシグナムさん、闇の書の姿も消えていたから、これは間違いなくあちら側で戦いになってると考えた。
だから私達は皆の無事を祈りながら、はやてちゃん家に常備してあった救急箱を用意して、誰か怪我をしても治療できるように準備しておいた。
カチッ……カチッ……カチッ……カチッ……カチッ……カチッ……カチッ……カチッ……。
「だぁー! 遅いっ!! 皆どんだけ長くなってんのよ!?」
時計の秒針の音が鳴る部屋で、アリサちゃんが雄叫びを上げる。ほんと、アリサちゃんって自分が干渉できない出来事に憤りを抱きやすいよね。
「もう10分ぐらい経ってるよね。大丈夫かなぁ、なのはちゃんもサバタさんも……」
「心配だけど魔法が使えない私達に出来るのは、皆を信じることしかないのよね……。心苦しいけど信じて待つ、それで帰ってきた皆を受け入れるのが今の私達の役目なのはわかってるんだけど、どうしてもヤキモキするわね……何も出来ないってのは」
「そうかもしれない。でも……干渉するってのもあんまりお勧めできないよ。怖い思いをしてまで戦いたくないもの」
「あ……ごめん!」
「いいよ、あの時は運が悪かっただけだし、ちゃんと助けてもらった。こうして無事に済んだんだから、もう気にしてないよ」
「そう……でも自分は悪くないのに事件に巻き込まれた経験があるのは私も同じだし、気付かなかったのは私のミスだから、やっぱりケジメとして謝るわ」
そう言って頭を下げてくるアリサちゃんは、昔と比べて性格が柔らかくなったと改めて実感した。生まれた環境の影響で、私達はこの年齢で死ぬかもしれない目に何度も遭ってきた。必要とあれば戦いを受け入れられる人達と違って、私はもうあんな出来事には巻き込まれたくない。あまり他人の都合で戦おうとしないサバタさんが、前に月村家を狙う裏組織を潰してくれたのはきっと、私がそう思っている事をとっくに把握しているからだろう。彼は素直じゃないけど、いつも私達の事を想って行動してくれている。
そして……自分の弱さも受け入れられる彼の強い心に、私は惹かれた。傍にいると温かく包まれるような安心感を抱ける、そんな彼に……。だからはやてちゃんも、彼が傍に居て欲しいと思っている。そんな矢先に今回の出来事だ、迷子になったような不安感を彼女は今も抱いていると思う。彼女も魔力があって結界の向こうに行ってしまったから心配だ。
ガタタッ!!
「な、なに今の音!?」
「もしかして……!」
結界が消えたのかもしれないと思った私達は、恐らく位置が動いていないはやてちゃんの様子を確かめ
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