死闘
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マルさんも……。歴戦の騎士相手に4対1って、これ勝ち目あるの……?」
戦力差を見て絶望的なこの状況。ヴィータちゃん一人でも苦戦してたのだから、今の私一人でヴォルケンリッター全員を相手に勝利を収める事は、あまり言いたくないけどまず不可能だろう。
こうなったら……、
「限界ギリギリまで逃げのびるしかない……!」
直後、これまでのお返しと言わんばかりに始まる、ヴォルケンリッター全員の総攻撃。ヴィータちゃんの鉄球に追い回され、ザフィーラさんの拳が防御魔法越しに強い衝撃を伝え、シグナムさんの剣がバリアジャケットを切り裂いていく。対するこちらもシューターやバインド、バスターで相手の陣形を乱そうとするも、豊富な実戦経験のある彼女達にそのような小細工は最小限の対処で済まされてしまう。
瞬時の回避、刹那の攻防、これまで生きてきた人生の中でもとりわけ思考と行動をフル活動させて凌ぎ続ける。時々喰らう攻撃でバリアジャケットがどんどん破損していくけど、そうなっても向こうの連携の勢いは微塵も衰えない。
「ハァ……ハァ……」
それから実際はもっと短いかもしれないが、30分ぐらい猛攻撃を耐え凌ぎ、バリアジャケットはもう原型がほとんど残っていないぐらい損傷して、あまり多くない体力も底をついて息も上がっていた。熟練の戦士4人を相手に、よくここまで持ち堪えたと自分で褒めてやりたいぐらいだ。
でも、ここまでされても彼女達の攻撃は止まらない。一方的に蹂躙された私は……魔力どころか体力も限界に達して、視界がぐらついている。疲労がピークに達した私の大きな隙を彼女達が見逃すはずが無く、ヴィータちゃんが弾丸を射出して先程の大威力回転攻撃をしてくる。距離的に回避出来そうにないから残った魔力を使ってプロテクションを張り、彼女のハンマーと衝突。しかし耐え切れず砕け散ってしまい、もろに攻撃を受けた私の体は吹っ飛び、更に飛ばされた先で待ち受けていたザフィーラさんのアッパーで追撃をもらう。ピンポールのようにぶっ飛ばされた私に、トドメと言わんばかりに上空から弾丸を射出したシグナムさんが、炎の纏った一閃を放つ。
「みぎゃぁッ!」
防御魔法が展開出来ず私はダイレクトに斬られ、撃墜されてしまう。彼女達の攻撃の勢いに負けて墜落した場所は結界の範囲内にあったビルの何階か。崩れずに残った壁に寄りかかって意識が朦朧としている私の前にヴォルケンリッター4人が降り立つ。
「これより、異分子の排除を行う……」
「う………サ、バタさ……」
これで……終わりなの? 私、ここまで頑張ったのに、このまま終わるの……? そんな…………イヤだ。こんな所で、負けられない……! まだ、ここで倒れる訳にはいかない!!
……ごめんなさい、サバタさん。散々止められてたアレを使うしかな
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