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リリなのinボクらの太陽サーガ
死闘
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んも眉間にしわを寄せて歯を噛み締めながら胸を抑え、ヴィータちゃんは意識の方で何かに抵抗している様子でデバイスのハンマーを構えた。

「あ、頭の中に……! 何かが……!!」

「恐らく……闇の書の中で何かが起きた事で……書が我らに異分子を排除せよ、と命令してきているのだ……!! その対象は恐らく……この場にいる主以外の人間全てだ!!」

「クソ……か、身体が、言う事を聞かねぇ! おい、高町にゃのは……悪ぃ、あたしを倒してくれ!!」

「え、ヴィータちゃん!?」

倒せって、今のヴィータちゃんはやけに苦しそうだし、そんな病人に鞭打つみたいな事はしたくない。あと、“にゃのは”じゃなくて“なのは”なんだけど……。

「いいから早く戦闘準備をしろ! チクショウ……もう、抑え……られねぇ……!! ガッ、アガァアアアア!!」

「ッ!!」

とにかく言われるままセットアップした瞬間、辛そうな雄叫びを上げたヴィータちゃんの目が虚ろになり、私に向けてハンマーを振り回してきた。レイジングハートが発動してくれたプロテクションのおかげでダメージは無かったものの、私の体躯は窓を突き破って外に投げ出される。
フライヤーフィンを展開して上空に退避すると、私を追いかけてヴィータちゃんが飛び出し、いくつか鉄球を打ち出してくる。フェイトちゃんとの戦闘経験のおかげで弾道予測が出来る私は、その鉄球を身のこなしでかわしながら、シューターで相殺して対処する。結界をシャマルさんがギリギリのところで張ってくれたおかげで、人目を気にせず戦えそうだ。

他の守護騎士の皆は何とか自我を保って堪えているようだけど、ヴィータちゃんだけ闇の書の強制命令が強く効いてしまったのか、こうして突然の戦闘になってしまったようだ。彼女はまだバリアジャケットが設定されていないのか、現れた時の格好である黒タイツのままだから防御力は低いと思う。けど、彼女のハンマーの攻撃力は高く、なめてかかると痛い目に遭うから、あまり直撃を受ける訳にはいかない。

「いいよ、相手になってあげる」

そう言ってニヤリと笑みを向けると、無表情で襲い掛かって来るヴィータちゃん。こんな状況になったのは十中八九、サバタさんが何かしているに違いないと私は確信している。だから私の役目は、彼の戦いが終わるまで撃墜されないよう凌ぐことだ。

「フフ……少し頭冷やそうか、ヴィータちゃん」

彼女が振り回すハンマーを避けながら、遅延型のバインドを多く設置していく。やり方はフェイトちゃんの時と同じ、まず相手の動きを拘束して止めることだ。

設置、設置、設置、設置、設置、とにかく設置。シューターによる牽制攻撃も交えながら、とにかく過剰と言える程バインドを設置していく。一方で本人の意識ではないとはいえ、しびれを切らしたヴィ
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