死闘
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力を表に出している時以外は出てこないらしい。ジャンゴさんは月光仔の血も流れてるからそういう衝動に耐性があるけど、私は太陽仔でも月光仔でもない身で暗黒物質を宿してるから、飲み込まれるのはいろんな意味で危険なのだそうだ。でも戦いになったらうっかり発現しやすくなるから、その時は結構意思を固くする必要がある。
「さてと……そっちの話もまとまったようだし、単刀直入に訊くわ。その闇の書? それって一体何なの?」
そこからの話をまとめると、闇の書は魔力と魔法を集めるロストロギアで、666ページ分の魔力を集めると主……この場合ははやてちゃんに大いなる力が与えられて、願いが叶うとかなんとか。でもその性質上、初期起動の今は魔力がほとんどなくて、管理局とは幾度も敵対してるから近くに主以外の他の魔導師がいたことで、つい管理局の待ち伏せなんじゃないかと思ったらしい。ひとまず居合わせたのは偶然だということを、しっかり話してわかってもらった。
「闇の書のことは、まあ表向きはわかったわ」
「表向きって……どういう意味かしら?」
「魔力を集めれば願いを叶えるロストロギア。なんか以前も似たような物があったんだけど、それは正しく願いを叶えられる代物じゃなかったわ。それにさっき、はやてを守ろうとしたサバタを吸収したんだもの、願いを叶えるなんて肩書きは正直眉唾ものなのよね」
まあ、ジュエルシードが叶えられる願いなんて、子猫の大きくなりたい想いが限界だしね。しかも|あれ≪巨大化≫もまともに叶えたとは言い難いし、この短期間で“願いを叶える”という言葉に夢を見れなくなった高町なのは、9歳の夜でした。
「吸収……先程から主が仰っていたが、もしやそのサバタという者は、起動時の結界に入り込んできたのか?」
「あれが結界なのかどうかはさておき、闇の書をどうにかしようと近づきはしたわね」
「という事は恐らく、闇の書の自己防衛機能が働いたのだと考えられるわ。普通は起動時に主以外近づける人間なんていないのだけれど、それを突破されて緊急対策でサバタさんを取り込んだのだと思うわ。起動時の闇の書は、干渉を図る意味では最も無防備なタイミングとも言えるもの」
「なるほど……それなら少なくともサバタは生きてるってことね。なら大丈夫よ、きっと」
「うん、それどころか普通に自力で出てくるんじゃないかな? ……私の時のように」
「あはは……考えてみればサバタさんも色々大変だよね……」
「おめぇら、こんな状況でよく笑えるなぁ。主なんか未だに取り乱してるってのに。シグナムのやつ、将のくせに必死に助けを求めてきてるぜ」
ヴィータちゃんの言う通り、耳をすましてみると号泣しているはやてちゃんの声と、戸惑っている様子のシグナムさんが慌てる様子が聞こえてくる。彼女の気
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