プロローグ改
[5/6]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「何が分かってるんですか!絶対わかってないでしょ!こうなったら説教です説教!今日という今日は年季の違いと言うものを思い知ってもらいますよぉぉ〜〜!」
ぷんすか怒る彼女とともに、俺は名残を惜しみながらその魔窟を後にした。
――この世界には、「リメインズ」と呼ばれる場所がある。
リメインズは所謂、 地下迷宮の一種であり、普通のダンジョンの中には人類が嘗て持っていたはずの高度、かつ未知の技術で製造された”もの”がある。”もの”と言うのは、そのダンジョンをダンジョンたりうる形にした建築技術であり、中に存在するひとりでに動く 機械達であり、中に存在する未知の神秘術の構築式。故にこの世界『ロータ・ロバリー』ではいくつの地下迷宮を攻略してそれを取り込んだかで国の戦力や技術力が決まる。
が、それはあくまで「普通のダンジョン」だった場合の話だ。「リメインズ」は違う。
後からやってきた魔物が棲みつくのが地下迷宮であり、「リメインズ」はその大本。
「リメインズ」は――魔物の這い出る源、すなわち魔窟。
この世界の全ての魔物がリメインズより出ずる。
リメインズはダンジョンとしては最大級の規模を誇り、同時に最大級のロストテクノロジーと危険を同時に内包する、希望と絶望の隣り合った魔の巣窟なのだ。希望を持って内に入る愚者に絶望の口を開く、人類未踏の古代遺跡。それがリメインズだ。
全ての 種族共通の敵であるとされる魔物の生まれる地だと伝え聞くリメインズは確認されているだけでも7つあり、オーセニ大陸に3つ、アドラント大陸に2つ、ケドルア諸島とエドマ山脈に1つずつ・・・ほぼ世界中に配置されるよう鎮座している。
今までの歴史の中で十数回、その中から夥しい数の魔物が一斉に這い出て周囲を無差別に襲ったことで大きな災厄を齎した。リメインズを攻略しようと戦力を送り込んだ結果、壊滅的な打撃を受けて国力を保てなくなった国も存在する。
誰一人、その場所の「底」を見た者はいない。
奈落。全てを失う場所。冒険者の墓場。
悪いことをすればリメインズに連れていかれる、と子供を戒めるまでに至るそれは、地獄と同義だった。
故に、数百年前に締結された「超国家条約」にてリメインズへの武力進攻は原則禁止、リメインズに危険な兆候あれば締約国すべてが協力して魔物の迎撃態勢を整える事など多くの決め事がなされた。反対する者は殆どいなかった。
何故ならば、どの国も平等にリメインズより這い出る魔物を恐れていたからだ。
貴賤を問わずヒトを殺し、時にはその肉を貪りながら世界を蹂躙する。
魔物の大侵攻は、どの国にとっても忘れる事の出来ない惨劇だった。
――だが、進行禁止とはいって
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ