インベーティング:それぞれの道
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ぞ!!』
『……既に闇に囚われた後さ』
言うと、闇を放って俺を吹き飛ばす。
『グアッ!!』
『……まだ闇を祓える力を持つか、俺。俺にもその力が在れば、翔夜に罪を増やさせることが無かったのにな……』
悲しそうな声で言うと、俺は姿勢をただして闇に浮遊する。
『何故お前がここにいるんだ?』
『翔夜に魂ごと世界から消滅させてくれと頼んだからさ。そして、お前と繋がった』
言うと、奴は闇の雷を放つ。
『何時までも!!』
此方も雷神皇ノ天戟で応戦して闇の雷を相殺する。
『……ここまでの力を持っているのに何故戻らない、雷獣?』
『……俺はもう戻れない。戻ったらもう、取り返しが付かなくなる……殺してしまうかも知れないんだ、この力で』
俺が言うと、奴が言う。
『……呆れたぞ。俺がこんなものだとはな』
『何っ!?』
『お前はその力の本当の意味を知らない!ジンオウガと同等の、いやそれ以上の雷撃を持っていながら何故その力にあらがおうとはしない!?』
『……無駄さ。俺はよくわかっている』
『分かっていないな。ならば何故、貴様はあの時雷帝になれた!?』
『……』
『……お前の中に、コイツが居たからじゃないのか?』
言うと、翡翠色の物体を投げてくる。
それは、小型犬と化したジンオウガだった。
『ジン!?』
『貴様のその呆れるほどの諦めがソイツをそこまで弱体化させた。皆の希望となる筈のお前が、自らの力に溺れるのを恐れてどうする!?』
『……そうか。やけに力に詳しいと思ったら……あんた、呑まれたんだろ』
『ああ』
簡潔すぎる一言。
俺には、その言葉の意味、重さが良く解った。
『俺は孤独だった。何時も孤独だった。……だが、友が出来た。そして、その友もまた孤独だった。そしてまた俺が一人にしてしまった。俺が呑まれたから……異形の怪物となったから。……だが、お前には友も、仲間も、そして慕ってくれる友も居る。……愛すべき者も居る。お前はまだ、ここで終わるべきではない』
奴は近付くと、手をかざした。
『俺の残された力をくれてやる。これを御しきる事が出来るのならば、真の意味で貴様は皇となろう。が、出来なければ二度と、友を触れられない身体と成り果てるだろう。そして、友に殺されるであろう。……どうするかはお前次第だ、雷獣』
俺はそれを聞くと、ジンオウガを見る。
(……俺を助けてくれた皆が居る。ジンも、俺を助けてくれた。ダークも、北斗も、そしてロード達も。……何時までも、諦めてる訳には行かないよな……また、皆の元に帰るためにも)
『……例え怪物に成り果ててしまう力だとしても』
俺は覚悟を決めて叫ぶ。
『俺はっ!その運命すらもぶち壊す!皆が待ってる、皆の所に帰るためにも!!』
『ドライバーオン!プリィズ……』
『フレイム!ドラゴン…
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