第5部 トリスタニアの休日
第3章 魅惑の妖精のビスチェ
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いの?」
ウルキオラはぽかんと口を開けた。
何故それを俺に聞く?
お前が決めることだろう?
と言いたげな顔である。
「ねえ、どうなのよ。公爵貴族と同等とかえらそうなことばっか言ってないで、いいのか悪いのか、ちゃんと答えなさいよ」
ルイズはやってのけたという顔をしていた。
しかし、ウルキオラの答えは、ルイズの思っていたものの逆を行くものであった。
「別に」
「え?」
ルイズは思わず起き上がって聞き返した。
「お前がいいのなら、それでいい」
沈黙が流れた。
ルイズは悔しくて、頬を赤くして横を向きながら、
「て、手を握っちゃうわよ」
「そうか」
しかしウルキオラは動じない。
ルイズの顔に怒りの表情が浮き上がってきた。
「あ、あの魅惑の妖精のビスチェだっけ?あれ着て男全員誘惑するわよ」
「そうか」
ウルキオラは足を組んだ。
ルイズの顔が真っ赤になる。
怒りと羞恥によるものである。
「なんでよ!」
ルイズはウルキオラを怒鳴りつけた。
「声を荒げるな、騒々しい」
ウルキオラはすっと立ち上がると、部屋から出て行ってしまった。
「ちょ、ちょっと……」
扉がバタンと閉まり、部屋の中が静寂に包まれる。
「……ほんとにいいの?私が他の男に触られてもいいの?」
ルイズは虚空に向かって呟いた。
当たり前だが、返事はない。
「ねえ、ほんとに?」
ルイズは泣きそうな声になって呟いた。
とぼとぼとベッドに近づき、身を投げる。
ルイズはしょぼんと布団に潜り込んだ。
いよいよチップレース最終日がやってきた。
スカロンはその日の夕方、今までの途中経過を発表した。
「それでは現在トップの三人を発表するわ!まず第三位!マレーネちゃん!八十四エキュー五十二スウ、六ドニエ!」
拍手が鳴り響く。
マレーネと呼ばれた金髪の女の子が優雅に一礼する。
「第二位!ジャンヌちゃん!九十八エキュー六十五スゥ、三ドニェ!」
再び拍手。
ジャンヌの呼ばれた栗毛の女の子が微笑んで会釈した。
「そして……、第一位!」
スカロンはゆっくりと女の子たちを見回し、重々しく頷いた。
「不肖、私の娘!ジェシカ!百六十エキュー七十八スゥ、八ドニェ!」
わぁああああああっ、と歓声が沸いた。
この日のために用意した、深いスリットの入ったきわどいドレスでジェシカは一礼した。
「さあ!泣いても笑っても、今日で最終日!でも今日はテェワズの週のダエダの曜日!月末だから、お客様が沢山いらっしゃるわ!頑張ればチップ沢山貰えちゃうかも!まだまだ上位は射程
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