第三十二話 殺し合い
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ていた包帯を千切る様に外した。
そこには……
「まさか……!?」
キリトが驚愕する。
そこに赤く光る三画の紋様。
「そのまさかだよ。黒の剣士!!」
―――――――セイバーが剣を引いて、バックステップでその場から飛びのいた。
その瞬間、セイバーのいた場所に黒い影が飛び出してくる。
「ッ!!」
後一瞬でも遅かったら、確実にセイバーはやられていただろう。
それほどの一撃を影の主―――――――バーサーカーは放っていた。
「……Poh、まさかお前が」
キリトが信じられないようなモノを見る眼でそれを見つめていた。
その姿を見て、さらにPohが笑みを深める。
「さぁ、It’s show time!!」
その言葉と共に、バーサーカーはセイバーへと襲い掛かった。
-----------------
「まずいな」
キリト達がいた場所から1kmほど離れた巨木の上で、アーチャーが呟いた。
「まさか、バーサーカーのマスターって……」
その隣でアーチャーと視覚を共有し、様子を見守っていたアスナが、顔を青ざめながら声を出す。
彼等は、キリト達の指示で遠方からの射撃で援護する役割に居た。
万が一、ラフコフや他のプレイヤー達が何か変な動きをしたら狙撃し、戦闘不能にするつもりでいた。
だが、その目論見も一瞬にして消え失せた。
突然のバーサーカーの乱入。
それにより、アーチャーは狙撃のタイミングを完全に無くしてしまった。
もし一か八かでバーサーカーへの狙撃を試みても、掴み取られ、敵を援護する形になってしまう。
ならば…と思い、アーチャーは狙いを変えた。
狙いはPoh。
彼を一撃で絶命させる事が出来れば……。
アーチャーはそう考えを巡らせた。
幸い、他のラフコフメンバーのザザとジョニーブラックはすでに転移結晶でその場を離れ、人質状態であった三人もその場を離脱したのか姿がない。
これで邪魔者はいない。
人質を盾にすることも、仲間を身代わりにすることも出来ない。
だが、それでも百パーセント成功するとは言い切れない。
弓に番えた剣を放った瞬間、もしバーサーカーがそれに気づけば、それを掴み取るなり叩き落とし、もう二度と狙撃は成功しないだろう。
それでも、アーチャーはそれに賭けた。
バーサーカーからPohまでの距離は約五メートル。
ギリギリでいける……!
確信を持って、アーチャーは番えた剣を離した。
音速を超える速度で、剣が奔る。
狙いはPohの脳天。
「ッッッ!!」
案の定バーサーカーはそれに気付いたが、Pohまでの距離は離れすぎている。
叩き落とすのも間に合わない。
殺った。
アーチャー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ