ターン19 鉄砲水と『D』と冥界の札
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嬢ちゃんっ!」
その一瞬の間に、店内の様子が激変していた。後ろから謎の男にプロレス技でいうところのスリーパーをかけられ身動きできない、というかどうもさっき一発殴られでもしたのか気を失ってる状態の夢想。そのまま長身にサングラス、そしてなぜかライダースーツというものすごく怪しい恰好のまま、その謎の男がこちらへにじり寄ってくる。
「誰だっ!俺の店で何してやがる?」
「おや、人の名前を聞くならば自分から名乗るのが礼儀ではありませんか、遊野堂さん。そうですねぇ………まあここは、ミスターTとでも名乗っておきましょうか。あなたの息子さんとはこれから何度も会うことになるでしょうし、以後お見知りおきを」
「ミスターT?」
あまりといえばあまりの名前である。だけど、そんな名前に反応を示した神がいた。
『この男の気配、どこかで感じた気もしていたが、やっと思い出した……!マスター、こいつは人間じゃない!』
「へ?」
改めていつまでも夢想に密着してるこれまで見た中でも最っ高の屑野郎をまじまじと見る。特に(やってることを除いて)おかしなところはないし、そもそも親父に見えてる時点で精霊が実体化したという線はないだろう。それにしてもぶん殴りたい、ちょっと近づきすぎてない?
『まずはその煩悩を抑えてくれ、マスター。それにしてもミスターTが1枚噛んでいたのか』
「何?知り合い?」
『昔の同業者みたいなものだ。奴自体はただの駒だからどうでもいいんだが、バックがかなり厄介でな』
よくわからないけど、チャクチャルさんがここまで言うからにはよっぽど厄介な相手なんだろう。まったく、斎王とゆかいな仲間たちだけでこっちは手一杯だってのに。なんでこう、去年もそうだったけど変なのを相手してる時に限ってまた別の変なのが割り込んでくるのかね。あの時もノース校に勝ったーって喜ぶ暇もなく封印されてた三幻魔とかいきなり出てきたし。
「今となってはあれもいい思い出なんだから、人生わからんもんだね。………それで、ミスター?なんでもいいけど、その娘さっさと放してよ。見てる側としてはひじょーに不愉快なんだけどさ」
「これは失礼。ではそのかわり、一つこちらの条件を呑んでいただきたいのですが。あなたの所持しているこの時代にあってはならないカード………具体的には地縛神、及び時械神のカードを今この場で処分しなさい。そうすればこの女性には一切手出しせずにお返しします」
チャクチャルさんたちと夢想、どっちか選べということらしい。だけど、それによって向こうに何の得が生まれるのか。とりあえず本人に聞いてみよう。
「(チャクチャルさん、メタイオン先生)」
『………実際問題、私たちは本来この世界に存在しえないカードだからな。消えろというのもわからない話ではない。なに
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