ターン19 鉄砲水と『D』と冥界の札
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回してみる。よくよく見れば確かにあの一角に立ってるの、どことなくメビウスに似てる気もする。なんか角とか生えてるけど。なんかメリケンサックみたいなの腕に付いてるけど。ちなみに僕の知ってるメビウスの武器はアイス・ランスという右腕を氷の槍にして突撃しつつ突き刺すというシンプルかつロマンあふれるもので、個人的には大好きな攻撃です。
「やっぱなんか違うじゃん」
『まあ聞きなさい。あれはそれぞれ剛地帝グランマーグ、烈風帝ライザー、爆炎帝テスタロス、そして凍氷帝メビウスのカードだな。従来の帝シリーズが真の力を解放した姿で、それぞれ進化前の上位互換の能力を持つ』
「なるほど、解説お疲れ様」
『うむ。それはよしとして、どうも様子が変だ。あれだけの力を持つ精霊が一度に4体というのははっきり言って異常。何かしらの意図があるのだろう』
冷静な、というより明らかに面白がってる風なチャクチャルさん。困ったものだ。
「そんでそんで?そもそもあんな町の端っこに突っ立って、何やってるのさ」
『見ればわかるだろう?この町に結界を張って外から遮断している………いや、中から出られないようにしているのか?先に言っておくとあの程度の結界なら突破できないこともないが、その際のエネルギーで近くの建物ぐらいは軽く吹き飛ぶだろうな』
「あら残念」
そんなもん僕が許可出すわけがない。絶対やっちゃだめだよ、と念を押してから改めて4つの巨体を見上げる。
「で、もうちょっと穏健な方法ってある?」
『一番単純な方法だと、そのカードの使い手を見つけ出してだな』
「………だいたいわかったよー」
デュエルでぶちのめすか物理的にどうにかするか、とにかく力づくなんだろう、まあこっちとしても、関係ないところに迷惑がかからない範囲でなら穏健に終わらす気はあんまりない。僕の町であんなでっかいもん勝手に出すんじゃないよまったく。
「とりあえず親近感あるしメビウスから行ってみ」
「いつまでも何くっちゃべっとるんだアホ息子」
「痛っ!」
集中して喋っていた最中、いきなり後頭部に激しい痛み。見ると、うちの親父が凶器と思しきレジの帳簿を片手に呆れ顔で仁王立ちしていた。
「ほれ、早いとこ店入るぞ。曇ったせいでちょっと冷えてきたしな」
「あー、えっと……」
『始まったぞ、マスター!場所はそこのビル屋上、メビウスとザボルグが動き出した!』
「ええ!?」
なぜかちょっとうれしそうな響きを含んだチャクチャルさんの言葉に聞き返そうとして親父の後姿から、そして店内の夢想から目を離した次の瞬間。
「だ、誰なの!一体どこから、って………!」
「おやおや、少々静かにしていただきましょうか。あなたは人質、別に悪いようにはしませんよ」
「夢想!?」
「
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