第17話 幕末の鬼、江戸の妖と語る
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も何とかして情報を集めてみせる!」
その後リクオと土方は共に戦うことを誓いに立て、互いに情報が入ったら伝えることを約束した。そして…
「それじゃあ、俺達もそろそろ浮世絵町へ帰るぜ」
「もう帰るの?」
リクオの『帰る』という言葉に寂しさを感じたのかカナの目に涙が浮かんだ
「ああ、いつまでも本家を留守のままにするわけにはいかねえからな」
「そう、だよね……」
リクオと別れの時間が来たことを理解したカナは表情が少しくらくなったがリクオが彼女の頭をなでながら
「大丈夫だカナちゃん。またすぐに会えるさ……」
「ホント?約束だからね?」
「ああ、約束だ!」
そう言ってリクオ達奴良組は移動に使われる乗り物妖怪…“おぼろ車”に乗って夜空を駆けて浮世絵町へと帰って行った
それを見送ったカナはこう呟いた
「また……会えるよね?リクオ君…」
一方その頃、東京都のとある住宅街…
暗い住宅街の中を歩く2人の少年少女。少女は体調がすぐれないのか顔色がひどく、青白かった。彼女は先ほどあるクラスの女子に恐喝されたのだ……一番触れてほしくない心的外傷を抉って……そこを偶然目撃した少年がある友人と共にそれをかばい、彼女を守ったのだ。そんな彼女に心配した少年が現在、彼女を守るために家まで送っていたのだ。その少女は眼鏡をかけた黒髪の少女“朝田 詩乃”……もう1人は茶髪のショ−トヘア、どこか子犬を連想させる人懐っこい笑みを浮かべる少年の名は平助
「なぁ“詩乃”、体は平気か?あんまり無理すんなよ?」
「大丈夫よ“平助”…さっきアンタが新川君と来てくれたから発作はもう無いわ。おかげで助かった……本当にありがと…」
そんな彼女の笑顔に平助という少年は顔を赤くしながらソッポを向いた
「ま、まあお前は俺の幼馴染だし、お前に何かあったらお前の爺さんに殺されるからな!」
「ふふっその時は私がアンタを守ってあげるね。騎士様?」
「お〜い詩乃?そのナイトってのはやめてくれ…背中がむず痒くなる。俺だって男なんだから女に守られちゃ、“あの人たち”に会わせる顔がねえよ」
「まぁそうかもしれないけど…私は守られてばかりはイヤだからね。アンタは私の“幼馴染み”で“クラスメイト”で“あの世界”で一緒に戦う“戦友”でもあるんだから……ね?」
「ああ、そうだな!お前は俺の“相棒”だ!」
「「……ぷっ!ハハハハハハ!」」
平助と呼ばれた少年は詩乃という少女と一緒に笑った。そして平助は街灯が無い代わりに見える星空を見上げながら心の中で呟いた
(千鶴
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