暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百六十六話 戦争計画
[4/6]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
新無憂宮 アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト
会議室に陛下が入って来た。全員が立ち上がり頭を下げる。暫くして
「一同大儀である。座るが良い」
との陛下の御言葉が有った。陛下は既に席についている、我々も席に座った。皆が緊張していた。これから陛下御臨席による作戦会議が始まる。前回陛下御臨席の作戦会議が行われたのはコルネリアス帝の御親征の時だそうだ。百三十年ぶりに陛下御臨席の作戦会議が開かれた事になる。
会議室には陛下の前に文武の重臣が並んでいる。陛下から見て右側には文官が席を占めた。国務尚書、財務尚書、内務尚書、司法尚書、保安尚書、運輸尚書、自治尚書、工部尚書、民生尚書、科学尚書、学芸尚書、宮内尚書、内閣書記官長、それと他に何人かの貴族、官僚。
左側の席は武官だ。軍務尚書、統帥本部総長、宇宙艦隊司令長官、副司令長官、遠征に参加を想定されている艦隊司令官、その他軍務省、統帥本部、宇宙艦隊司令部、科学技術総監部、兵站統括部、憲兵隊から代表者が出ている。右側よりも左側の方が出席者が多い。
陛下が国務尚書に向かって軽く頷いた。
「これより作戦会議を始めるが皆に言っておく。この百五十年間、帝国は反乱軍と戦ってきたが残念な事にこれを降す事が出来なかった。今回の遠征をもって反乱軍を降伏させ帝国による宇宙の再統一を実現する。この会議はそのために行うものである。陛下の御前ではあるが皆臆する事無く忌憚ない意見を述べるように」
国務尚書の言葉に皆が頭を下げた。
軍務尚書と統帥本部総長が顔を見合わせた。統帥本部総長が微かに頷くと周囲を見渡した。
「先ず遠征軍の規模であるが兵力は二十個艦隊。将兵は戦闘要員だけで三千万人、後方支援要員に一千五百万人を動員する。これをもってイゼルローン、フェザーン両回廊を制圧し反乱軍の勢力圏に侵攻する」
シュタインホフ統帥本部総長の声が会議室に流れると彼方此方から嘆息が漏れた。二十個艦隊による大遠征軍、合計四千五百万人の動員、帝国始まって以来の事だ、無理もない。
「イゼルローン方面はヴァレンシュタイン元帥が指揮を、フェザーン方面はメルカッツ元帥が指揮を執る。なお遠征軍全体の指揮はヴァレンシュタイン元帥が統括するものとする」
皆の視線がヴァレンシュタイン元帥とメルカッツ元帥に向かった。
「次に編成であるがイゼルローン方面は七個艦隊、フェザーン方面は十三個艦隊とする。なおそれぞれの遠征軍を便宜上イゼルローン方面攻略軍、フェザーン方面攻略軍と称する」
主として文官達の席からざわめきが起きた。出席している武官の殆どは既に軍内部で行われた作戦会議で聞いている。しかし文官達は初めて聞くのだ、無理もない。
難攻不落と言われるイゼルローン要塞、それを七個艦隊で攻める。大軍ではあるがフェザーン方面
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ