険悪な2日間
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し、仕事人間と成り立ってしまった俺の身が、ここで放棄することを抑制しているのだ」
「お兄さま……ダメ…ですか?」
「何処へ行くんだ?」
「っ!はい!動きやすい服装に着替えてくださいね!
私も準備して参りますわ!」
そう言って陽菜は自室へ走っていってしまった。
しまった!まさかあのような儚げな眼と態度を見せられて揺らいでしまうとは!
いままでそんなことはしたことがなかったあの陽菜が…一体何があったんだ?
「お待たせしましたお兄さま!さぁ!参りましょう!」
戻ってきた陽菜はボストンバッグに麦わら帽子。
白色のワンピースと言った、まぁ所謂旅行にでも行くような格好をしていた。
「そもそも何処へ行くんだ?」
俺はある程度片付いたシフト表をテーブルに置いて立ち上がる。
陽菜は元気良くこう答えた。
「千葉ですわ!」
「待っていたぞ鳴滝」
陽菜に連れられて来たのは千葉駅の前。
そして出会ったのは比企谷八幡。
疲れたような顔で陰湿な笑みを浮かべ、俺に対してそう言った。
「おい、今俺の名前に何を込めた?」
「気のせいだろう。さぁ、車に乗ろうじゃないか」
そう言って指を指したのは赤色のワゴン車。
車内からは奉仕部メンバーに小町ちゃん、戸塚、平塚先生が乗っていた。
「唐突すぎて理解に困る。俺はこれから陽菜と千葉へ向かうことになっているんだ」
「ああ。俺達全員でな…」
「早く乗りたまえ。時間は有限なのだよ」
平塚先生が車から降りてこちらへと歩いてきた。
そして先生の目を見て全てを理解したのだ。
――――俺は嵌められたのだと。
千葉村。
ここは小、中学生が野外研修と言う名目で使用される学習場所である。
自然が豊かで山道も確りと手入れされており、オリエンテーリング等も行える正に学校行事に適した場所だと言えるだろう。
そんな所へ来てしまった俺は、車内で比企谷に事の顛末を聞いたのだった。
どうやら比企谷も俺と同じ無いようで千葉駅の前に誘き出されて強制参加を余儀なくされたらしい。
そして一人は嫌だと言うことで俺を道連れにすべく、小町ちゃんから陽菜へと連絡がいき、今に至ると言うわけである。
「俺、山アレルギーなんで帰っていいですか?」
「どんなアレルギーなのかしら…」
「もっと楽しもうよ!ほら、空気も美味しいしさ!」
「それ以上に美味しい予定をぶち壊されたんだが」
由比ヶ浜と雪ノ下は俺の両隣にたってそう言う。
俺としてはバイトの期間が減ったことに落ち込むことを押さえられない気分でいた。
そこへ、もう一台の車が俺達の前に停
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