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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
お見舞い客、一組目
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。」
『ならば、まだこの姿の方がよいだろうな。欲を言うなら、首だけでも戻したいものだ。』
「あ、それなら負担掛けずに出来ると思う。ちょっとでかく・・・大体コモドオオトカゲよりちょっと小さいくらいになら出来ると思う。」

コモドオオトカゲはそこそこにでかい。十分すぎるくらいには大きくなるだろう。それが分かったからかアジ君も頷き、一輝は檻の中から微調整して輝く霧を出す。それを吸い込んだアジ君はだんだんと大きくなっていき、一輝の言っていた通りコモドオオトカゲよりちょっと小さい程度で止まると、今度は新たに首が生え始めた。合計二本、結果三つ首(・・・)になる。

「三つ首って、確か・・・」
「ええ。あの魔王と特徴が一致しますわね。」
「いやでも、まさか・・・いや、一輝だからな・・・」
「お、察しがついたか。では、自己紹介、どうぞ。」

一輝が本格的に楽しくなってきたという表情をしながら、アジ君に手で促す。

『では、私を追い詰めた英傑たちよ。改めて名乗ろうか。私は元“人類最終試練”の一角、“絶対悪”を担っていたアジ=ダカーハだ。今は私を討った英雄である一輝の檻の中に封印され、使い魔の様にこの本拠に手力仕事を担当している。トカゲの姿の時はアジ君と呼んでくれ。』
「というわけで、“ノーネーム”の新しい御手伝い、アジ=ダカーハことアジ君でした!他にも執事服を着せた人間体のアジさんver、そして本来の姿のアジ=ダカーハver等がありますが、まあそれは俺が回復してからのお披露目ってことで、ひとつよろしく!」

わーぱちぱちー、と一輝が拍手をしていると、四人はシンクロした動きで頭を抱え、床に膝をついた。下層の平和を守るというのが仕事である階層支配者からすればアジ=ダカーハがいるというのは頭の痛くなる話だろうし、そうでない迦陵としてもこんな頭の痛くなる話はないだろう。

「・・・せめてもの救いは、隷属の形である分霊格も減ってるやろう、ってところやろなぁ。ほとぼりが冷めるまでの間に外に漏れたら、まあ面倒になるやろうけど・・・」
「ああいや。コイツについては箱庭の力による隷属じゃなくて、俺がこの手で殺して檻に封印したわけだから、それには当てはまらないんだよ。」
「では、どのような形なのでしょう?私は階層支配者ではありませんが、あの戦いに参加したものとしてそれを知る権利はあると思いますが?」
「ま、おっしゃる通りだ。じゃあ教えてやるけど、驚かないでくれよ?」

そう言うと、一輝は聞かない方がいいのにとでもいうような態度をとってから、

「俺が殺すまでの間の、最も強い状態で、だ。だからまあ、そうだな・・・疑似創星図、アヴェスターと覇者の光輪(タワルナフ)が同時に使える状態、かな?」
『その上、私に施されていた頭蓋と双肩の封印は解かれた
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