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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
お見舞い客、一組目
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でそのトレーを持ち上げ、一輝のさした台へ置く。それによって、台を運んでいたものの正体が分かった。トカゲである。
「・・・トカゲ、やな。」
「トカゲ、ですね。」
「トカゲ、ですわね。」
「いえ、これは・・・ッ!?」
一人ラプ子だけはその正体に気付いたようで一輝に対して攻めるような視線を向けるが、一輝は素知らぬ顔で薬を飲んでいた。それが分かったからか、それとも諦めからなのかため息をひとつついたが、気づいたのは一輝だけだった。
「えっと、このトカゲがさっき喋ってたん?」
「ああ、そういうこと。これで星の一つや二つは持ちあげれそうなくらい力あるうえに出してても俺に負担がないから、動けない間子供たちの手伝いさせてる。」
「ほう、話に聞く『檻』とやらの中から出したのですね。ということは、ただのトカゲではなく何かしらの妖怪ということでしょうか?」
迦陵はそういいながら、壁を登って台の上へ向かうトカゲを見る。約三名何という妖怪だったかと記憶の中から探していると、トカゲの方から声をかける。
『トカゲとは失敬な・・・と言いたいところだが、この姿では致し方あるまい。ともあれ久しぶりだな、火龍の英傑に混天大聖、覆海大聖、ラプラスの悪魔よ。』
「ん?何や、僕ら君と会ったことがあるんか?」
『会った、等というほどちんけではない。それに、さすがの私でも自分を討った英雄が現れた戦いに参加していた実力者のことくらいは覚えるさ。』
「・・・ん?」
と、ようやく違和感を覚えたらしい蛟劉は、そのトカゲをいぶかしげな眼で見る。いや、正確にはまだこのトカゲの正体を知らない三人にも、一つ可能性として頭に浮かんでいる名前があるのだが・・・それを口に出すことは出来ないでいた。いやまさか、さすがにそれはないだろう、と一輝の問題児性はそこまでではないだろうと、信じていたがゆえに。
だからこそ、実際にはどうなのかを、確かめずには居られなかった。
「なあ、一輝。この、えっと・・・トカゲ。名は何というのだ?」
「ん?このトカゲの時は、アジ君。」
「そ、そうか。なら・・・」
「って、ちょっと待ちなさい。このトカゲの
時は
(
・・
)
と言いましたね?」
「ああ、言った。」
「つまり、この姿が本来の物、というわけではないのかしら?」
「うん、違う。」
笑顔で、しかし何か企んでいそうな笑顔で一輝がそう言うので、三人は一気に固まり、冷や汗を流す。この笑顔から、危険を感じ取ったのだろう。
「じゃ、じゃあ何て名前なんや?」
「それはやっぱり、本人に聞かないとな。ほらアジ君、自己紹介。」
『ふむ、では元の姿に戻ってもよいのか?どうせ名乗るなら本来の姿で名乗りたいものだが。』
「んー、さすがに負担がでかいからやめてくれ。人間体ならまあいけると思うけど
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