友達
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いるのだが、それから結構年月が経っている。“ひまわり”は俺と同い年だ、とか言っていたが、それは初めて会った時の話でまだカウントしてた頃の事だから参考にならない。サン・ミゲルで再会した時に尋ねる手もあったが、女性と年齢の話をしてはいけないと先代ひまわりに釘を刺されているので止めている。とりあえず今の俺の身体の成長速度を鑑みて、年齢を逆算してみよう。ほとんど勘だが……大体……。
「15ぐらいじゃないか?」
「僕より一つ年上でその身長だと!? なんてことだ……」
愕然とするクロノだが、逆に俺はクロノが14歳でなのはやフェイトのような8歳女子とほぼ並ぶ身長しかない事に驚いた。なお、俺の身長は19歳の恭也より拳一つ低い程度だから15歳男子平均身長だと思う。
しかし冷静に見れば俺も15歳か……そろそろ“少年”を名乗るのは限界かもしれない。だが……俺が“青年”になれるまで生きていられるか、寿命的に微妙だな……。
「はぁ……そろそろ出発の時間か。二人に伝えてくる」
ダウナーな気分のままクロノは、3人娘に刻限を告げに向かった。別れを惜しみながら彼女達はまた会う約束をして、こちらの転送ポートの近くに戻ってきた。フェイトは何かを言いたそうにこちらを見上げるが、俺の上には未だにアリシアがしがみついている。こんな時でも自由だな、こいつ。ま、彼女も流石に転送時は降りるだろう。
「お兄ちゃん……あの……わっ?」
放っておいたら本題に入る前に時間になるので、彼女の頭をグリグリと少し強く押さえて撫でながら、俺は言いたい事を先に言う。
「フェイト、おまえはもう少し心に正直になれ」
「え……心に正直って?」
「かつてプレシアがおまえを娘と認められなかったのは、物分かりが良すぎて親としてどう接すれば良いのかわからなかったからだろう。親は子に甘えられるのが仕事なのに、子であるフェイトはそれを自制していたから、親のプレシアは自分の愛情を注げる相手を当時死者だったアリシアに注ぐしかなかった。前から親の愛を欲しがっていたおまえだが、そもそも愛情を注がれるきっかけを作ろうとしなかったのも原因の一つなのだからな?」
「う、うん……じゃあこれからやってみるけど、甘え方がわからないよ。一体どうすればいいのかな?」
「ねだれ」
「ふぇ? ねだ……?」
「甘えたいと、褒めて欲しいと、プレシアの前でとにかく駄々をこねてねだってみろ」
「でも……そんな事をしたら母さんに失望されたりしないかなぁ……」
「いや、プレシアは究極の親バカだ。アリシアを蘇生させようと何十年も研究する執着心からわかるだろう? むしろ機会があれば彼女の前でアリシアと二人でお願いしてみろ、今なら嬉々として叶えてくれるぞ」
「そ、そうかな……?」
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