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リリなのinボクらの太陽サーガ
友達
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見続けよう。消えたラタトスクの行方は気になるが、ヤツも傷が癒えるまでしばらく大人しくしているはずだ。それまでの間に様々なケリをつけておこう。










パーティの後、久々な気がする八神家に俺達は戻ってきた。しかしフェイト達は重要参考人という扱いなので、管理局から帰宅を禁止されている。そのため八神家には家主はやてと俺しか帰ってきていなかった。

「なんか、この家の人間が半分もいなくなってしもうたなぁ……元幽霊も含めて」

「ポルターガイストもこれで起きなくなるわけだが……寂しいのか?」

「そりゃあ……うん、正直そうやな。サバタ兄ちゃん達が来て、まだ一ヶ月しか経ってへんけど、フェイトちゃんとアルフさんもいる生活に慣れてきた所やから、どうしても物足りない感じがするんや……」

「フッ……何も死に別れた訳じゃない。またすぐに会えるさ」

「ぶっちゃけちゃえばそうなんやけど……一度失った家族の温かみを、皆と過ごして深く思い出したから、胸がぽっかり空いた気持ちなんよ。また何の変哲もない日々を送るだけの独り暮らしに戻ってしまうんやないかって、すっごく不安なんや」

「………」

そういえば両親が早くに死んでから俺達が来るまで、はやてはずっと一人でこの家に暮らしていたんだったな。死ぬようなきっかけもないから生きている、ただ日常的に生かされているだけの籠の中の鳥として。その彼女が心からの仲間を得た事は、砂漠に水が染み込むが如き効果をもたらす。渇き切っていたはやての精神は一時的でも潤いが与えられた事で、二度と人の温かさを失いたくない性質に変化した。

「兄ちゃんは……サバタ兄ちゃんはここに……私の前からいなくなったりせえへんよね……?」

そして……その精神は依存へ変質していく確率が高い。

懇願する様に俺の左手を握って呟くはやてに、俺は空いてる右手で彼女の背中をさするだけに留めた。『ここにいる』と明言はしない。そんな事を言えば一時的な慰めにはなるだろうが、余計依存しやすくなる。それに……別れは必ず訪れる。望もうが望むまいが、それだけはどうしても避けられないさだめだ。

暗黒物質に侵された俺の身体も、そう長くは持たないのだから。

この日、はやては俺の部屋で一緒に寝た。それぐらいの甘えなら許容できる範囲だが、ずっとという訳にもいかない。はやての将来を考えると、一度彼女の生活保護者と会う必要があるな。
誰からも何の支援を受けずに育つなぞ、この世界の仕組みではあり得ない。そのため生活保護者の存在は少し前からいると考えてきた。その人間が親戚や親族ならなぜはやてを一人にしているのか問い詰める必要もある。だがもし、はやてと血の繋がりも無い赤の他人だったら、その時は……。







翌日
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