友達
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てことね。……色んな意味で先を見ているわね、サバタ」
「フッ、既に生みの親も育ての親もいない身空だ。自然と別れに対する心構えや準備もわかるようになる」
「あなた……その年齢で結構壮絶な人生を歩んできたのね……」
俺の過去を話した事が無いからプレシアは知らないが、これまでの数少ない言葉である程度は察したようだ。フェイト達は部分的に知っているが、詳しい経緯は話す気になるまでお預けだ。
それから高町家の経営している喫茶店『翠屋』に、長い間行方不明扱いだった高町士郎がようやく帰って来た。大黒柱が戻ってきた光景に桃子と美由希が唖然とした直後、営業時間中だというのに彼に抱き着き号泣してしまったが、その光景にリンディ達管理局員や、流石にプレシアは無理だが特別に出歩く事を許可してもらっているフェイト達も涙を誘われていた。
とにかく高町家がやっと全員揃う感動の再会を今、こうして果たしたわけだ。なお、士郎となのはの目が暗黒物質の影響で赤くなった事は、彼女達も最初不安がっていたものの、今の所は何の影響も無いと伝えるとひとまず安心したようだ。
その後、店仕舞いをしてから翠屋内で“高町士郎帰還祝い”という高町家主催のパーティが開かれ、一旦帰した月村家をまた呼んだり、美由希の料理は実は激マズで恭也が逃げたり、何か代わりに俺が食う羽目になって全身が緑色(腹痛状態)になったり、ずっと蚊帳の外扱いだったアリサが半泣きで突撃してきたり、アースラにいたはずのプレシアがいつの間にか混じっていたりと色々なイベントがあったが、まあ何というか、皆で賑やかな時間を過ごせた。
はやても、フェイトも、アリシアも、なのはも、すずかも、アリサも、この時は全員揃って笑顔だった。恭也、美由希、忍、ノエル、ファリン、クロノ、ユーノ、リンディ、プレシア、彼らもまた、彼女達と同様だ。……後始末を考えると色々大変だが、それでも今は皆幸せそうだ。
だけど……ここにはカーミラがいない。それが俺の心にしこりとなって残り、この空気を楽しめずにいる。彼女の魂はヴァナルガンドと共に永遠の眠りについているのに対し、彼女の犠牲の上で生きている俺がこの幸せを享受しても良いのか、どうしても考え込んでしまう。
『あなたのおかげで救われた心があった事を、時々で良いので思い出してください。それだけが私の、最後のワガママです』
……俺のおかげで救われた心、か。カーミラの想いは常に俺の中にある、それは彼女もわかってたはずだ。ならカーミラは別の誰かの事も思い出してほしい、と言っていたのか? それとも……結果的に救ったこいつらを見守って欲しいと言っていたのか?
フッ……わからないなら、どちらも行えばいいか。“別の誰か”に関しては追々見つけ出すとして、当面の目的はこいつらの面倒を
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