友達
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……末恐ろしいな、高町なのは。今より鍛えれば彼女は条件さえ対等ならヴァナルガンドともサシでやり合えるだろう。あれをまともに受けて身体的には無傷でいられる辺り、つくづく非殺傷設定のありがたみがわかる。
「ピンク怖いピンク怖いピンク怖いピンク怖いピンク怖いピンク怖いピンク怖いピンク怖いピンク怖いピンク怖いピンク怖いピンク怖いピンク怖いピンク怖い……」
心の傷は別だが。というか非殺傷設定は、身体ではなくむしろ精神に傷を与えやすくなっているのではないか?
あの決闘の後、トラウマを植え付けられたフェイトは医務室で目を覚ますなり俺が常時身に付けている“月光のマフラー”にしがみついてブルブルと震えていた。ヴァンパイアの吸血といい、恭也のプレッシャーといい、なのはの砲撃といい、つくづくフェイトはこの世界でトラウマを多く植え付けられたものだ。
「一度も勝った事が無い相手に挑戦してしっかり勝つとは、流石は俺の娘だ!」
「そうだな、戦う以上は手加減なぞ無用。勝つために最善を尽くすのは戦士として当然の義務だ。えらいぞ、なのは!」
「えへへ……お父さんもお兄ちゃんも、恥ずかしいよ〜!」
おい、高町家! それでいいのか!?
幼少期からイモータルに育てられて一般人より戦闘寄りの感覚をしている俺でも、高町家の阿修羅の如き教育方針に戦々恐々とする。隣ではユーノとクロノ、はやてにアルフも「なんて恐ろしい戦闘民族なんだ、高町家……」と血の気の引いた青い顔をしていて、リンディやプレシアは「あの親にしてあの子供あり、血は争えないわね……」と哀しき人間の宿命を嘆いていた。なおアリシアは「あはは……もうなんも言えね〜」と投げやりな笑みを浮かべるだけだった。
「ああ、そうだプレシア、血で思い出したのだが……」
「血って、なんか嫌な思い出し方ね」
「まあそう言うな。八神家にいる間、フェイトは『ミッド式ゼロシフト』という俺の月光魔法ゼロシフトの性質を再現した新しい魔法術式を構築していた。仮にも天才研究者の娘、初めて自分で作った魔法術式でも、彼女は即席ながら時の庭園の戦いで一応使える程度に組み上げた」
「ああ、あの一瞬ですり抜ける高速移動魔法ね。私もリニスも教えた記憶のない魔法だったからどうして使えるのか奇妙には思ってたわ」
「そうだ。だがやはりどうしても知識不足が否めないため、一回の魔力使用量が効果と比較して多めだ。つまりまだ未完成な訳なのだが……知識があるおまえなら、完成に導く事が出来るんじゃないか? それにフェイトと親子の絆を深める良い機会だ。共同開発すれば思い入れも出来るだろうし、何より形として残るものを一つでも作っておいた方が良い」
「なるほど……私がまだ動けるうちに、家族の絆を確かめられるものを作って後悔しない様にしろっ
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