友達
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ったのに今はなんというか、堅牢な移動要塞を相手にしている気分だ。
圧倒的な物量で蹂躙してくる彼女だが、やはりスピードにおいては私が上だった。当然だ、これまで私はそれを重点的に鍛えてきたんだから。初めて魔法に触れたこの短期間でここまでの実力をつけた彼女の努力は称賛に値する。でも……私だって相応に努力してきたんだから、ようやく私を見てくれるようになった母さんの目の前で負けたくない!
互いの魔力弾をぶつけて爆発させて煙幕を張ったところで、すぐさま高速移動で接近し、デバイスを振り下ろす。寸でのところで気づいた彼女はシールドを展開、衝撃のせめぎ合いで激しい閃光が発生する。
ここで決める! と意気込んでいた私はバリアブレイクの術式を発動し、障壁を打ち破ろうと更に力を込める。なのはも食い破られまいと魔力を送り、障壁の強度をさらに上げてくる。だけどその時、私は背後から迫るなのはの魔力を本能的に察知し、反射的に振り向いてディフェンサーを展開する。そこにさっきの魔力弾の衝突で隠れていた彼女のシューターが衝突し、かき消された。
しかしこの時、わずか一瞬でもなのはから目を離してしまった。慌てて彼女の位置を探るが、それは上空から勢いよく振り下ろされる彼女のデバイスが答えを示していた。
「せいやっ!!」
「っ……!」
慣性力を利用して重量が乗っている彼女の打撃をバルディッシュで受け止め、鍔迫り合いになる。このままじゃ劣勢に追い込まれると思った私は、フラッシュという目くらましの閃光魔法を使用する。
「にゃっ!? 目がチカチカする……ってバインド!?」
「アルカス、クルタス、エイギアス、疾風なりし天神よ、今導きの下打ち掛かれ。バルムル、ザルメル、ブラウゼル……!!」
詠唱を進めるほど、無数の雷撃が私の周りに展開されていく。モニターの向こうではユーノとアルフが慌ててるけど、この戦いは私の本気を出さなきゃなのはにも失礼だから、止めるわけにはいかない。
「フォトンランサー・ファランクスシフト。打ち砕け、ファイヤ!!」
次の瞬間、無数に浮かんでいた周囲の雷撃がすべてなのはに殺到し、炸裂。それによるエネルギーの過度な集中で凄まじい爆発が起きる。
だけどこれは本当の意味で全力を出し切る訳だから、当然私も相応に疲労がフィードバックしてしまう。これで決まってたらいいが、彼女の成長速度を考えたらもしもという可能性がある。なので念のための魔力弾は用意しているんだけど……あの爆煙の中から寒気がするほど大きなプレッシャーを感じる。
「なるほど。攻撃が終わったら、バインドも解けちゃうんだねぇ」
その声が聞こえた瞬間、思わず鳥肌が立った。煙が晴れると、かなりボロボロになりながらもしっかり立っているなのはの姿があった。ただ……彼女はまるで肉食獣の
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