事後処理
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うより別霊という事にすれば見た目が人間そのものでも成長しない事に理由がつけられるし、何より“アリシア”の名は時が来るまで出来るだけ表に出さない方が、色々と混乱が起きずに済むはずだ。……この真実を世間に伝えるのは簡単だが、それで悪意を持って手を出して来る輩を追い返すような苦労は面倒だろう? リンディも、プレシアも」
「ええ……確かにそうね。でも……」
「あら、私なんかにも気を遣ってくれてありがとね。……いいわ、公的に使う名前を変えるだけで守れるなら、アリシアに“アリス”という名前を使うのも受け入れるわよ」
「フッ……さすがに利害の計算は早いな」
という訳で、“アリス”という名前には再び役に立ってもらう流れになった。実際これまでそう呼んでいたのだから、今も俺はアリシアを呼ぶ際に偶にアリスと呼びそうになる。ま、それはいいとして、この名前の方が色々と抜け道を作りやすい。彼女が“アリス”という名前を完全に脱ぎ捨てるのは、俺達が死に、全てが遠き過去の出来事となってからだ。
「さて……プレシア、話を戻すが方法や結果はどうであれ、おまえはアリシアと再会する悲願を達成した事になる。その上で問いたい。もしジュエルシードで彼女を蘇らせるのに成功していたとしても、おまえは犯罪者として扱われる。アリシアも死者蘇生の成功例として狙われる可能性もある。そんな状況でどうやって娘と暮らすつもりだったんだ?」
「それは……アリシアさえいればどうなっても構わないと思っていたから、後先考えてなかったわ……。実際、こんな風に終わると一切思いもしなかったもの」
「天才研究者としてあるまじき失態だな。まあ、それは終わった事だから重要ではない。問題はフェイトとアリシアの境遇だ。母親が今回の件で自らテロリストとなった事が、彼女達の今後の未来における枷となる可能性は高い。そもそもおまえの身体は病に蝕まれているのだぞ? そんななりで娘を守れるのか?」
「え……かあ、さん? まさか、身体が悪い事をずっと隠してたの!?」
「最初会った時の戦いで気付かれてたのね……ええ、そうよフェイト。だから先の短いこんな私があなたの母親でいるよりも、日の当たる世界でちゃんとした保護を受けられるようにと、あえてきつく当たっていたのよ」
「でも私が復活したら掌を返す辺り、あんな仕打ちをしておいて今更何を言ってるんだ、ってお兄ちゃんやはやてに怒られるのも当然だよね〜」
「ぐふっ!!」
ボディブローが入ったようにプレシアが吐血する幻覚が見えた。実際はうずくまっているだけなのだが、哀れに思えるほど、その背中には悲壮感が漂っていた。
「今の指摘はクリティカルヒットしたな……訂正も擁護もする気は無いが。それで、本当におまえは二人の母親に戻るのか? おまえの独りよがりの
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