事後処理
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望みが、彼女達の妨げになる事をわかっていて、それでも戻りたいのか?」
「…………」
子供の事を考えられる今のプレシアなら、何が最善かぐらいは既にわかっている。自分の幸せか、娘の幸せか。母親なら母親らしい選択をしてもらいたいものだ。
「……確かに……私は病魔に蝕まれていて老い先短いし、その上重犯罪者だから娘たちのためを想えば、いっそここで別れた方が良いのかもしれないわね……」
「……そうか」
「母さん……」
「ママ……」
「でも……それでも……やっぱり諦めきれないわ。だって愛する娘と再び暮らす、そのために私は手を汚したのだから!」
「……なら確認したい。今度こそ、おまえはフェイトを愛せるか? 残された時間の間、もう一人の娘としてフェイトを愛してあげられるか?」
「……ええ! 今まで酷い事ばかりしてたけど、あなたに怒られた今ならわかる。私は……フェイトを、愛してるわ」
「母さん……!」
「そうか。だが最終的に決めるのはフェイトだ。……フェイト、おまえはどうしたい?」
「……私は……母さんの娘で居たい……! やっぱり、母さんが母さんなのが良い! だから……母さん、私はアリシア・テスタロッサじゃありません。だけど、アリシア・テスタロッサの妹で、母さんの娘です。母さんの娘として、お姉ちゃんの妹として、私は家族の笑顔を見たい。それが私の望みです!」
フェイトの覚悟を目の当たりにしたプレシアは、感極まって涙を滝のように流し始めた。自分がこれまで求めていた家族の絆、それがこんなにも近くにあったのに、それに気付かなかった自分を後悔し、そして、フェイトの懐深い愛に感謝していた。そして……アリシアもまた彼女の下に戻るだろう。“太陽の使者の代弁者”であろうと、彼女は紛れもなくテスタロッサ家の長女なのだから。
「フッ……」
「……ごめんなさい、お兄ちゃん。私……私……!」
「いや、俺もこの形が最も望ましい決着だと思っていた。というかプレシアが素直にフェイトを渡して来るようだったら、また説教をしていたところだったぞ」
「そ、そうなの?」
「ああ。だからフェイト、取り戻した家族を、もう手放すなよ?」
「うん……! うん……!!」
「フェイトちゃん、やっぱ行っちゃうんか〜、なんや寂しくなるなぁ」
「ごめん、はやて」
「ええよええよ。ほら、お母さんの所に甘えに行き〜や。親にわがまま言うのは子供の役目なんやから、思う存分突撃してこな。代わりに私はサバタ兄ちゃんに突撃するけど」
「ふふっ……やっぱり温かいね、はやての所は」
「これからはテスタロッサ家も、うちに負けんくらいぽかぽか一家にするんやで? せやないと今度は私がカチコミに行ったるからな?」
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