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リリなのinボクらの太陽サーガ
決着
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伝わってくる。ユーノ君達が倒れている今の状態では自力で身動きが取れないのもあり、シールドに魔力を送り続けて受け止め続けるしかなかった。

「人間っ!! ごときがっ!! よくも!! このわたしにっ!!」

言葉を区切る度に振るわれる鞭、その度に衝撃でシールドが震える。だけどシールドの強度にも限界があり、そう何度も耐え切れるものではない。一発一発でシールドにヒビが入っていき、亀裂が大きくなっていく。暗黒物質が身体を蝕んできている影響で集中力も損なわれていて、次第に目の前に何度も迫る鞭に私は恐怖を抱いた。精一杯耐えてきたけど限界が訪れてシールドが砕けた時、私は必死に願った。

「助けて――――――――お父さん!」

「身の程を知れっ!!」

ラタトスクの怒りの鞭が迫り、痛みに備えて身を縮める。だけどしばらく待っても鞭の痛みが襲ってくる事は無かった。ゆっくり目を開けて見てみると……、

「なのはを傷つける奴は……この俺が許さない!」

ラタトスクの鞭が小太刀で両断されていた。それをやったのは黒いスーツを着たヴァンパイア……お父さんだった。

「馬鹿な……! 月光仔の血も引いていないただの人間がわたしの支配を打ち破ったと言うのか! 高町士郎!!」

「お、お父さん……!!」

「すまないなのは、怖い思いをさせてしまった。後は任せてくれ、行くぞ恭也!」

「ああッ!!」

「おのれぇ……! どいつもこいつも……!!」

思い通りに行かなくなっている現状にラタトスクは苛立ちを抱き始めていた。お父さんとお兄ちゃんはその有利を見逃さずに、怒涛の攻勢に出始める。だけど私は体内の暗黒物質の浸食のせいで、頭がグラグラして意識が朦朧としていった。このままじゃ闇に堕ちる……そう思った、その時だった。

「アンコークッ!!」

ギィィィイィィィイィィィ!!!

フェイトちゃん達が戦っていたヴァナルガンドの方から、はやてちゃんが無事だと信じていた“彼”の声が聞こえた。ヴァナルガンドの胴体を突き破って出てきた“彼ら”は前は持っていなかった大剣を、アクセル全開で突っ走るバイクの上から振り下ろし、偶然か必然か正面に居たラタトスクをすれ違いざまにぶった切った。

「グァァアアア!!! ば、馬鹿な……! 貴様達まで、ヴァナルガンドの支配から抜け出しただと……!!」

「フッ……策に溺れたな、ラタトスク。これで借りは返したぞ」

「クッ……ウッハッハッハッ!! いいでしょう、イモータルにとって人間の寿命など、あまりに短いものです。特にあなたのはね! それに此度の機会を逃しても、浄化される心配がない以上、わたしは無限にやり直す事ができる! そう、どうあがいても人間は敗北する定めなのです!」

「さて、それはどうかな?」


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