決着
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ど、どうして……あの攻撃を受けて立っていられるなんて……!!」
白装束も相当擦り切れてボロボロになっていて、身体の所々が煤けているけど、それでもラタトスクは五体満足で立っていた。
「フ、フフ……わたくしが人間を甘く見過ぎていたのは認めましょう。しかし、あなた達もイモータルを甘く見過ぎてはいませんか? 我らイモータルは不死の軍団! あなた達の魔法に暗黒の力を少々込めた程度で倒せるなどと思ったら大間違いです!」
それでもダメージは少なくなく、先程の余裕綽々とした態度は崩れていて、睨んでくる目は狂気に走ってぎらつき、その殺気で私の身に冷たい汗を流させた。私たちの魔力が暗黒物質に弱いのは知っていたけど、何も全てが通らない訳じゃない。なら諦めずにもう一度チャンスを作って、それでSLBを―――
――――ドクンッ……!
「え………うぐっ!」
突然心臓が激しい鼓動をした次の瞬間、全身に凄まじい悪寒が走って私は胸を抑え、思わず倒れ込んでしまう。な、なんで……!? リンカーコアには異常はない……魔法の感覚はちゃんとある。なのに急に全身がマヒした様にまともに言う事を聞かなくなってしまった。
「フフフ……ハハハハ! これは傑作ですね! まさかダークマターを自ら取り込んでいた事に気付いていなかったとはね!!」
「私が……ダークマターを……? いつの間に……!」
「先程のスターライト・ブレイカーという魔法、あれは周囲の魔力素を集めて放たれる集束砲撃です。ここには確かにジュエルシードから漏れ出した魔力や、あなた達が使い捨てた魔力が漂っています。しかし、同時にこの場所にはヴァナルガンドが放出し続けていた暗黒物質も存在している! それをあなたは魔力を集める際、一緒に吸収していたのです! 普通はこの量の暗黒物質に触れた程度では吸血変異を起こしません。ですがあなたは集束を行った事で、ヴァンパイアに噛まれたのと同じ量の暗黒物質を全身に浴びた! もうすぐあなたの身体は吸血変異を引き起こし、我々の同志へと生まれ変わるでしょう!」
「そ、そんな……あうッ!」
ラタトスクの指摘に思い当たる節があった私は、呼吸が乱れながらも思い返す。大気中に漂っていた妙に黒ずんでいた魔力、きっとあれが暗黒物質の混じった魔力だったんだと思う。知らず知らずのうちに魔法に暗黒の力を込めた事が、ラタトスクの予想外のダメージを与えられた理由なのだろう。でもその代償として私は……!
「ですが! わたくしにここまで刃向かった分、あなたには後悔してもらわなくては気が済みません! 今、その罰を受けなさい!!」
「ッ! ら……ラウンドシールド!」
かろうじて絞り出した魔力を使って私を覆うシールドを展開する。次の瞬間、ラタトスクが鞭を叩きつけ、シールドに衝撃が
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