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リリなのinボクらの太陽サーガ
”彼女”
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で気分は最悪よ。こうなったら、私自身の手できっちり落とし前をつけないと気が済まないわね。……ほらフェイト、サバタを取り戻したいのならしっかりしなさい」

「……へ? かあ、さん?」

「勘違いしないで、ヤツに飲み込まれたアリシアを取り戻すために一時共闘するだけだから。それが終わったら彼の所で好きに生きなさい」

そう母さんは突き放すように言うけど、それでも私は感じた。母さんの優しさを、本当の意味で初めて注いでくれた確かな愛情を。それだけで私は今まで以上の力が身体の奥から湧き上がってくるように感じられた。これなら……相手が破壊の獣でも、負ける気がしない!!

「ふぅ……本当にサバタは不思議な男だよ。あたしが今だけはプレシアと一緒に戦ってやろうと思うなんてね」

「アルフ……!」

「ふん、駄犬なんかが戦力になるのかしら」

「50過ぎの老魔導師よりかは戦力になると自惚れてはいるさ」

互いに挑発し合う二人だけど、そうやって気持ちを鼓舞しているのかもしれない。相手は本当の意味のバケモノ、魔法が使えようと人間の力だけで太刀打ちするには厳しすぎる。

でもね、テスタロッサ家が初めて轡を並べて戦うんだから、そう簡単にやられたりはしないよ!

ギィィィイィィィイィィィッッッ!!!!

「さっきは怖かったけど、今は全然怖くない。だから……お兄ちゃんとすずかを、返してもらうよ!!」

啖呵を切った直後、雄叫びを上げたヴァナルガンドが両手の拳で殴りかかってきた。私とアルフは横っ飛びで避け、戻った所で黒いガイコツの手を私が斬り、白いガイコツの手をアルフが叩いた。私たちには太陽の力も暗黒の力も使えないけど、変換資質の影響で普通の魔導師より魔法の効果が届きやすい。何度も攻撃して時間はかかったけど、母さんの援護もあったおかげでヴァナルガンドの両手を破壊できた。
両手を失って前のめりになったヴァナルガンドの頭部を母さんがジュエルシードの魔力も込めたサンダーレイジを叩きこむ。冷静になった事で戦法もある程度見えてきており、母さんの魔法の後に私とアルフが続けて集中攻撃。倒れながらでも反撃として放って来る怪奇光線を避け、攻撃の間隙を突いてとにかく攻撃。
外れて壁に当たった怪奇光線の跡を見ると、毒に石化、マヒに火傷になりそうな炎などが見え、やはり属性攻撃に関してもヴァナルガンドは卓越しているのがわかる。それにお兄ちゃんに瀕死の重傷を与えた破壊光線、あれだけは絶対に当たってはいけない。そうやってミッド式ゼロシフトも加えた回避優先の戦術に音を上げて、ヴァナルガンドを一時的にひるませる事が出来た。

ジュエルシードを巡る戦い、世紀末世界から続いたお兄ちゃんの戦い、それらがねじれ合ったこの事件。その終幕を飾るのは人形使いでも破壊の獣でもない、私たち
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