”彼女”
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リギリ二人に助けられたみたい。
「お前のようなサディストならこうするだろうと予測していたけど、物の見事に当たるとは……イモータルでも戦術は人並み程度だね!」
「炎が効いてない……となると貴様はフレイム属性のようだが、それならそれで戦いようはある!」
私の目の前に二人が進み出て、まるでこちらを守るようにラタトスクに立ち塞がった。
「二人とも!」
「すまない、今から加勢する。この世界をヤツの好きにさせる訳にはいかない!」
「本当ならサバタさんが戦ってた時点で加勢するべきだったんだけどね……ごめん。だけどここから挽回するから!」
「薄汚い管理局の魔導師風情が……! この私に刃向かった罰です、貴様達を先に始末してやろう!!」
私とラタトスクの戦いにユーノ君とクロノ君も加わり、気持ちだけでも相手を上回った。実力や戦力の差が絶望的でも私は……私たちはまだ諦めていない!!
「もはや出し惜しみなどしません。来なさい、“高町士郎”!! 奴らを斬り捨てなさい!!」
「え……!?」
ラタトスクが呼び出したヴァンパイアが頭上から飛び降りて、凄まじい速度で振るわれた小太刀が二人を斬る――――寸前に、飛び出したお兄ちゃんがその太刀を防いだ。
だけど……このヴァンパイアが……お父さんなの!?
「ぐっ! このタイミングで知られるとは……! すまないなのは、父さんの相手は俺がする! 今の内にそっちはラタトスクを……元凶を倒せ!!」
「お兄ちゃん! そんな……行方不明になっていたお父さんにもこんな事をするなんて……もう…………許せない……! 絶対に許さないから、ラタトスク!!」
多分この時、後にも先にもこれ以上は無いってぐらい私はキレた。人間、怒りが度を超すと逆に冷静になるんだね。でも我を忘れて本能のままに戦うよりはマシだろう。だから……サバタさんとすずかちゃんだけに留まらず、私の家族の運命まで歪めたこのイモータルは、今ここで絶対に倒す!!
・・・・・・・・・・・・・・・・
〜〜Side of フェイト〜〜
「お兄ちゃん…………どうして……」
「サバタ……あんたならフェイトを任せられると思ってたのに……! なんでプレシアより先にくたばってるんだよ……くそっ!」
「………………」
ヴァナルガンドを前にして、私は兄を失った喪失感によって膝立ちで戦う気力どころか生きる気力も湧かなくなり、アルフは拳を地面に打ち付けながらお兄ちゃんの事で悔し涙を流していて、そして母さんは私とアルフを初めて狂気が消えた目で無言のまま見降ろしていた。
「私のせいで……私が母さんを止めるなんて言わなければ……いや、いっそ私なんかが生まれて来なければ……お兄ちゃんが死ぬ事は―――」
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