現出
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った所で急に怯えたフェイトは俺の後ろに隠れて出来るだけ小さくなろうとかがみこんだ。その小動物じみた行動は庇護欲をそそられるものだろうが、それよりこんな状況でも怯えられた事で恭也はそれなりにショックを受けて落ち込み、傍でなのはが一応励ましている。
「こわい……こわいよぉ……!」
「はぁ〜……フェイト? 恭也の事が怖いなら、アイツの顔をジャガイモだと思い込んでおけ」
「ジャガイモ……?」
人前に出て緊張する人間がよくやる手段だが、純粋な性格のフェイトなら思い込みで恐怖心もなんとか誤魔化せるに違いない。しばらくブルブル震えていたフェイトがゆっくり顔を上げて、「ジャガイモ……あの人はジャガイモ……」と念じながら恭也の方を見る。
一瞬にも満たない間ビクッと反応したものの、少し時間をかけてどうにか彼女は平常心を取り戻していった。ちなみにアルフはプレシアに対する怒りでそのまま恭也に対する恐怖心を克服していたりする。別の見方では単純だとも言える。
「さて、プレシアの所に向かう前に、僕はまず彼女に魔力を補給している魔導炉を止めるべきだと思う。しかしいつプレシアが計画を進めるかもわからないため、時間に猶予はあまり無い。そこで提案なんだが、ここは二手に分かれて行動してはどうだろう?」
「クロノの提案に異論は無い。ひとまず俺は魔導炉の方に行こう。何か問題が起きても魔力を喰らう俺の暗黒の力があれば何とかできるかもしれない」
「わかった、お兄ちゃんが魔導炉なら私は……」
「フェイトはプレシアの所に行け。今の俺の役目はおまえを母親の所にたどり着かせる事だ」
「じゃあその役割にあたしも便乗させてもらおっかな。こっちの道案内は任せてもらうから、ちゃんと会いに行くんだよ、フェイト!」
「お兄ちゃん、アルフ……ありがとう!」
「フェイトちゃんがプレシアさんの所に行くのなら私も行くの!」
「なのはが行くなら俺もだな」
「当然、僕も行くよ。なのはは巻き込んだ僕が責任を持って守るから!」
「……班分けは決まったな。じゃあ魔導炉はサバタとアルフに任せて、プレシアの方には僕、なのは、フェイト、ユーノ、恭也さんのメンバーで行くぞ!」
という事で合流した直後すぐに俺達は分かれて別行動をとった。これがどんな結果を招いたのか、その時の俺はまだ想像すら出来なかった。
傀儡兵と言えども動力に魔力を利用している以上、魔力を消滅させる暗黒銃ガン・デル・ヘルの前ではただの動く的に過ぎなかった。暗黒ショットを喰らったらすぐに崩れて人型の鉄くずと化す。これならスケルトンを相手にしている方が手強い。そもそも管理局……というより魔導師は戦う手段を魔力に頼り過ぎている気もするが、まあ他所の世界の方針には余程の事が無い
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