運命の竜巻
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までも下を向いてばかりいる場合か?」
「うん……! うん……! ありがとう、私、まだ頑張れそうだよ。大丈夫……私は、これからも私のせいいっぱいをやればいいんだ……!」
精神的に立ち直ったフェイトは眼に力が戻りつつあり、完全に折れなかった事を褒める意味で彼女の頭を優しめに撫でる。すると彼女は目を細めて気持ち良さそうにされるがままになっていた。フェイトは母の愛を求めてこれまで頑張り続けてきた、そしてこれからも……。その努力を誰でもいいから少しは報いてやらないと、彼女の心にある太陽が再び昇ることが無くなりかねない。俺なんかで補填できるとは思っていないが、一時的な代わりになることはできる。
「あら、もしかしてお邪魔だったかしら?」
入口から現れたリンディの声が不意に聞こえた事で、特に動じる事もなくおれはフェイトの頭から手を放し、彼女と向かい合う。
「あぁ…………」
フェイトが物足りなさそうな声を出して頭に手を当てたが、そんな子犬みたいな寂しそうな眼をしても今はやらないぞ。そういうのは状況が片付いてからだ。
「こっちの話は既に済んだから問題ない。それよりどういう要件で来たんだ?」
「そうつんけんしないでほしいわ。ま、二人とも私が言わなくてもわかっていると思うけど……フェイトさん」
「はい……何でしょうか?」
「管理局はロストロギア所持、および管理局への攻撃の容疑であなたの母親のプレシア・テスタロッサの逮捕のために時の庭園へ武装隊を派遣しました。恐らく彼女の逮捕は時間の問題でしょうけど、念のため私たちはブリッジのモニターで確認します。彼女の娘であるあなたにお聞きしますが、その光景を見ておきますか? それともここで大人しく待ちますか?」
「…………行きます。私が招いた結果を、ちゃんと見ておかなくちゃいけませんから」
「そうか。だがフェイト、おまえの体のダメージはまだ残っている。行くなら連れていくが、無理はするな」
「うん、気を付けるよ」
「わかったわ。ではこちらへ」
フェイトが自力で歩こうとするのを隣で支えながら、リンディの案内でブリッジに行く。俺達に気付いたアルフは心配そうにフェイトの側に寄り、なのは達は何処となく不安そうな目で彼女を見つめる。痛めつけられたとはいえ実の母親が逮捕される光景だ、あまり気分の良い物ではない。
映像は武装局員が時の庭園の深部、玉座の間にたどり着いた場面で、彼らは更に奥へと進んで行った。そしてそこにあったものは、この場にいる全員が目を疑うものだった。
「え……!?」
映し出されたのは液体の詰まったポッドに入った幼いフェイト……否、むしろ俺に憑りつかせているアリスの姿そのものだった。
『あれは……私の本体だよ』
[なんだと?]
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