肝試し
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りリーゼロッテの分も会計を済ましてから店の前で彼女と別れる。向こうは少し無理をしているような笑顔で去って行ったが、果たして彼女が報われる日は来るのか、星詠みができるわけでもない俺ではわからなかった。
なお八神家に戻る途中、高町なのはが尾行してきているのが振り向かなくてもわかったのだが、あえて遠回りで走ってみると彼女は途中でへばっていた。体力無いな、もう少し鍛えろ。
昼間、フェイト達はプレシアにジュエルシード回収の進行を伝えて夕方に帰ってきたため、リーゼロッテからもたらされた情報のジュエルシードの回収は日が完全に沈んだ真夜中に決行する事になった。
そんなわけでおどろおどろしい雰囲気でいかにも何か出そうな廃病院を前に、フェイトとアルフはガタガタ震えて俺の腕にしがみついていた。
「ほ、ホントにここにジュエルシードが、あ、あるんだよね……?」
「ああ、そうらしい」
「うぅ……夜の廃病院だなんて……こ、怖いよぉ……」
「だだだだだダイジョウブだよフェイト……おおおお、オバケが出ても何とかなるさ……!」
『は〜い、オバケここにいま〜す♪』
フェイトは恐怖のあまり目元に涙が溜まって少しの刺激で泣きそうで、アルフは膝がガクガク震えながら意気込み、アリスは洒落になっていない冗談を言っていた。なんだこの保護欲そそるような連中は……。今回の封印、本当に大丈夫なのか?
ふと4階の窓際にぽうっと薄ら光る人影が見えたが、それは放っておいて俺が前に歩きだし彼女達を促す。
「おまえら、ジュエルシードが暴走していない内にさっさと回収しに行くぞ。変に暴走したら場所が場所だ、百鬼夜行が襲ってくるかもしれない」
「そ、そんなのと戦いたくないよ! よ、よし! すぐ見つけて早く帰ろう! うん!」
「そ、そうだよ! それにオバケがいきなり後ろにいたらと思うと……」
ブルッと震えている所悪いが、本当にいるぞ。アルフの後ろにオバケ(アリス)。なんかアルフの首元に手を置いているぞ、ニヤニヤ顔で。言わないけど。
『う〜ら〜め〜し〜や〜♪ って感じかな? こういう探検ってワクワクするよね! きゃー、面白そー!!』
[幽霊がホラーを楽しむ……微妙な気持ちだ]
ともあれ俺達は各々異なる気持ちのまま廃病院に突入した。ただ……この中は色んな意味で大変な場所だったことを、この時は誰も気づけなかった……。
一方……、
「うぅ……なんでこんな所にあるのぉ……?」
「大丈夫だって、なのは。次元世界でも幽霊なんて非科学的存在はいないとされてるんだから、きっと何も起きないよ」
「地球より技術が進んでいる管理局でも幽霊の存在は認知していないのか。……いたら俺の剣が通じるか確かめてみたかったのだがなぁ……」
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