契約
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デッドになったら、もう……治らないのか?」
「……月光仔の血も引いていないのに、あそこまで浸食が進んでいながら自我が残っている事自体驚きでもあるが、それでも人間に戻れる可能性は万に一つもあり得ない。残念だが、父親を救う事はできない。倒すしかないのだ……!」
「…………」
「父親を乗り越えろ、恭也。それがおまえに与えられた責任だ」
そう告げておれは暗黒転移ですぐにその場を去った。
上空、管理局戦艦アースラ、ブリッジ内。
「転移に魔力反応なし、ロストしました……」
「そう、油断してフェイトさん達の居場所が突き止められれば儲け物と思って飛ばしてはみたけど、やっぱり魔力が一切探知されないサバタさんの暗黒転移を追うのは無理ね」
「しかも魔法陣も展開しないで瞬時に発動しているから連続使用も可能だろうな。地味に厄介だ……」
管理局員である彼らが使う魔法はプログラムを利用して発動させる科学に近い力であり、神秘の力を用いる方向には疎いのである。故に太陽や月光、暗黒の力も彼らにとっては同じ未知の魔法としか映っていなかった。
「それにしても……私生まれて初めて見ましたよ、この“マイナス”と示す魔力値」
エイミィが映し出したのは先のヴァンパイア戦の映像。そこではサバタと恭也が魔導師の常識を打ち破る速度で戦っている光景があった。しかしその映像はサバタがブラックホールを生み出した時点で途切れていた。
「僕たちの使う魔法が正のエネルギーなら、彼の使う力は負のエネルギー、ということか」
「でも艦長、これっていろんな意味でマズいんじゃないんですか?」
「確かに上層部に知られる訳にはいかないわね。……管理局の定義だと、魔法を使っても魔力素の絶対量は減らない。なのに彼の力は魔法の源である魔力素を消してる。究極的に見て暗黒物質の影響で魔力素がなくなっちゃうと、その世界じゃリンカーコアを持っていても魔法が使えなくなる事を意味する。こんな事が知られたら管理局が彼を消そうと暴走する可能性があるわ……でも普段の消費量は微々たるものでしょう?」
「はい。普段は、ですけど」
「ああ、僕も見ていたから気づいている。さっきの戦いで彼がブラックホールを作り出した瞬間、魔力素の消費量が凄まじい事になっていたのをこの目で見た」
「あの時はアースラのサーチャーがまとっていた魔力も一気に消失しちゃって慌てて回収したけど、その寸前まで観測機が示した数値によれば、あのブラックホールが吸収した魔力素の総量はアースラのサポートを受けた艦長の魔力量に匹敵します。そしてこの世界の魔力素の量も考えると……あと3回ブラックホールを作ったら、この世界に限って全ての魔法が1ランクダウンします」
「……魔力素が枯渇するまでだと、何回だ
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