会談
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!」
高速で振るわれる刀の激突。飛び散る火花。夕闇に染まりかけている空を背景に恭也とヴァンパイアの圧倒的速度の剣劇が映し出される。それは鋼糸や飛針の流れ弾で地面を削り、小太刀でかまいたちが巻き上がる程である。
そしてヴァンパイアの放つ搦め手の鋼糸や徹のこもった飛針による流れ弾をゼロシフトで器用に避けながら、それでもサバタは自らの体格並に大きくなったブラックホールを更に大きくしていく。
「残り5秒。貴様は恋人に二度も手をかけようとしたんだ、償ってもらうぞ!!」
神速を使った事で景色がスローになる恭也。対するヴァンパイアも同じ技を使うことで両者の間にありえない剣速の応酬が炸裂する。上空で見ていた管理局はその人の域を超えた速度に目をむくが、もう一方の特異性も目を離せなかった。
「3………2………1………完成だ! 吸い込め!!」
光をも飲み込もうとする吸引力にヴァンパイアは足を止めざるを得ない苦境に追い込まれる。そこを狙わない恭也ではなく、次々と背後から光速の太刀を入れてブラックホールにヴァンパイアを追い込む。そうしてブラックホールにヴァンパイアを封じ込めると、これまで耐えた分のカウンターのごとく恭也が立て続けに斬る斬る斬る斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬!!
「ウグゥアアアアア……!!」
耐久力の尽きたブラックホールが爆散すると、ヴァンパイアは胸を押さえて膝をつき、乱れた呼吸を整えていた。恭也の剣によって至る所を切り刻まれたヴァンパイアは着ている服も刀傷だらけとなり、顔を覆っていた覆面もボロボロとなった事で風が一瞬吹いた瞬間千切れて落ちる。
「な!? そんな……馬鹿な!」
それで露わとなったヴァンパイアの顔を見た途端、殺気立っていたはずの恭也の表情は一瞬で驚愕に彩られ茫然自失の言葉を紡ぐ。
「嘘だ……こいつは……こいつは……!」
「恭也? ……もしやと思うが、このヴァンパイアを知っているのか?」
「何故だ……行方不明になるまでに、一体何があったんだ……
“父さん”!!!!」
こいつも……同じだったのか。おれ達の親父と同様に、恭也の父親もまた、イモータルの手でヴァンパイアにされていたようだ。
「ウ……! キョウ……ヤ、強く、なったなぁ……!」
「父さん!? 俺の言葉がわかるのか!?」
「時間が、ない。よく聞け……! “白装束の少年”、そいつが……元凶だ!」
「白装束の少年!? そいつの名は何なんだ!」
「名は…………ラ……タ…………、ぐ……ウアァアアアアア!!!」
裏に潜むイモータルの名を口にしようとした途端、ヴァンパイアは頭を押さえて叫びながら多数のバットに分裂し、いずこかへ飛び去ってしまった。
「父さん! ……父さん……クソォッ!!」
肉親
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