会談
[13/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ったのだ。それを察した、というよりそうなる事を想定していたサバタは軽く息を吐く。
「おれの中に流れる月光仔の血のおかげだ。それでアンデッド化せずに済んでいる」
「月光仔の血……?」
「既に滅亡した月の一族の血だ。おれ達兄弟は太陽仔の父、月光仔の母の間に生まれ、それぞれの血を濃く受け継いでいる。ジャンゴが太陽仔の血を、おれが月光仔の血を、とな」
「要するに凄い血筋の混血児とも言えるわけなんですね。……あれ? じゃあ月光仔は普段から暗黒の力を使うものなんですか?」
「使えない事もないが一応違うと言っておこう。というよりおれの出生だけが特殊とも言える」
「へ? サバタさんは家族と一緒に育ったんじゃないんですか?」
「…………」
軽くため息を吐いたサバタは、ふとアリサとすずかの二人を一瞥する。なぜこちらを見るのかわからない彼女たちが首を傾げるが、忍と恭也、リンディなどの社会の裏を知る大人は一瞬訝しげに思った後、まさか、と言わんばかりの表情になる。フッ、といつもの苦笑をしたサバタは真実を語った。
「物心もつかない幼少の頃に、おれはクイーン・オブ・イモータルの手で親元から誘拐された。銀河意思ダークに仕組まれた計画によって暗黒物質を注がれたおれは、いずれ太陽の戦士として来るだろうジャンゴに対するカウンター、暗黒の戦士として育てられた」
「そ、そんな…………誘拐された挙句、家族の敵として育ったなんて……」
世界の差は関係なく性根が優しくて純粋な少年少女達が絶句する中、サバタの闇の一端を聞いてしまったリンディは知らずに血を分けた兄弟同士で戦うように仕組んだダークに抑えきれない憤りを抱いた。子供を持つ身だからこそ誘拐された後、彼の両親がどれだけ彼を探し回ったのか想像も出来た。そして自分ももし夫を失ったあの時、クロノまでいなくなっていたらと考えが及び、湧きあがった恐怖で全身に怖気が走った。
また、誘拐された経験があるアリサとすずかは自分たちは誘拐されても助けられたが、サバタはそうでなかった事実に深く心を痛めていた。そして月村忍は、サバタがヴァンパイアによって育てられた事とその経緯を知った事で自分たちの事情にどうやって始末をつければいいのか表に出さず苦悩していた。
「だからおれはイモータルと同じ暗黒の力を使えるというわけだ。それと……大事なことを言い忘れていた。不死者であるアンデッドを浄化するには太陽の光が必要だが、比較にならない量の暗黒物質を宿すイモータルは太陽の光を浴びせただけでは浄化できない。太陽の光を増幅させるパイルドライバーという特別な装置が必要だ」
「太陽の光……私たちの魔法で代用できたりするのかしら?」
「魔法を動力に使うならともかく浄化に関しては難しいだろうな。なにせ活性化した暗黒
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ