会談
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「時空管理局……!?」
「執務官だって!?」
苦々しそうにその名を口にしたフェイトとアルフは、すぐさま逃走を開始する。ジュエルシードに向かわず踵を返して一目散に逃げる辺り、ちゃんと覚えていてくれたようだ。ならおれも仕事をしなければな。
「動くなっ!」
黒い格好の少年が彼女ら目掛けて魔力弾を放つ……前におれは彼が最優先で手にしなければならないはずのジュエルシードを手にする所を見せ付ける。
「貴様、何をしている!」
すると職務に忠実な彼は咄嗟にデバイスの矛先をこちらに向ける。おかげでフェイト達が攻撃される事は避けられた。
「フッ……暗黒転移!」
「転移魔法!? ま、待て!!」
少年が魔法を放つがもう遅い。魔力弾が到達した頃には既におれはその場からいなくなっていたのだから。しかし暴走する可能性があるジュエルシードの傍で魔法を使うとは、彼はこれの特性を理解しているのだろうか?
『暗黒転移ってさぁ、すぐに発動できるから便利過ぎるよね』
アリスの言う通り、確かにフェイト達の使う転移魔法は発動まで割と時間がかかる。それに比べて暗黒転移は瞬時に発動できるから、上手く使えば転移回避の鬼にもなれる。尤もそれだけ連続使用するとエナジーの消費も凄まじくなるが。
『ジュエルシードも封印したし、今日はもう休むね』
そう言ってアリスはおれの中に戻って行き、しばらく彼女は眠りについた。幽霊だろうと疲れれば寝る事もあるのだ。
そして追っ手がかからない程度に離れた地点で一度フェイト達と合流し、先程手にしたジュエルシードを譲り渡す。
「恐ろしい程上手くいったね」
「うん、これもお兄ちゃんが事前に色々決めてくれたおかげだよ」
アルフがしたり顔で笑い、フェイトもホッとしたようにジュエルシード越しにおれの手を握る。
……以前フェイト達とヴァンパイア対策に考えておいた逃走案、それを応用したのが今回のやり方だった。管理局がとる行動を先読みし、即時離脱が可能なおれがフェイト達の転移時間を稼ぐ。内容自体はそれだけなのだが、俺の知らない組織である管理局が実際にどういう行動を取るか、どんなタイミングで彼らが現れるか、など様々な状況を推測する必要があり、今回のパターンは大まかに表すと“ジュエルシード封印後”、“ヴァンパイア無し”、“管理局員単独”の要素が揃ったものであった。
「さて、手筈通りにおまえ達は探知されないように多重転移してから帰――――ッ!?」
この気配は……ヤツめ、このタイミングで動くか!!
話している最中に感じた爆発的な闇の気配。これほどの濃厚な闇の気配を出せるのはイモータルのみ。ヤツも結界内部に入れる事には少し驚いたが、それよりもヤツが向かっているのは先程の連中がいた場所。彼らが対処
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