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戦闘城塞エヴァンゲリオン
第1話Bパート『負け犬にウイルス』
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らしいのですよー」
背格好的に中学生ぐらいに見える少女に先導されて、後ろをついて歩く男とか、怪しい光景だ。
ウィル子の格好がドレス姿の美少女という目立つものなので、かえってヒデオに目は行かないのは幸いだろう。


センタービルの受付で『聖魔杯』の参加希望者である旨を伝えると、奥まった別の受付に通された。

「ようこそ、『聖魔杯』参加受付へ」
制服らしきスーツをまとい、可愛らしい顔立ちの女性だった。
日本人離れした顔つきと髪色だったが流暢な日本語で話しかけられる。

「先ずは、氏名と種族をお聞かせください」

種族。現代日本の、それもこんな近代的なビルで、大真面目に聞かれるとは。
いやゲームや何かのイベントでないことが、はっきりした気もする。

「川村ヒデオ。と、言います。人間です」
「はい、ありがとうございます。私は受付担当のラトゼリカと申します。お気軽にラティと呼んでください。
大会開催中は大会運営スタッフとして参加者の皆さんをサポートしますので、よろしくお願いしますね。」
さらにウィル子に目を向ける。

「ウィル子はウィル子、ウイルスなのですよー」

一人称が自分の名前なので、分かりにくい自己紹介だな。とか、考えていたら

がたたたっ

受付嬢――ラティが、青褪めた顔で椅子ごと後ろに身を引く。

「にひひひっ。マスター、ウイルスと聞けば普通こーゆーリアクションをとるものなのですよー」

「え、えー、ウイルスさん。ですか?私もいろんな種族の方を見てきましたが
ウイルスという方は初めてですね…」

恐々ながら、元の位置に戻ったラティは、
受付の卓上のパソコンに情報を打ち込んでいく。

最新機種らしき超薄型で高性能そうなパソコンで。


「じゅるりっ」

はっ。まさか。

「にひひ。侵にゅ」がしっ
すんでのところで襟首を捕まえる。ラティもその意味にようやく気付いたのだろう。

「不許可!不許可です!
侵入しないでください。感染しないでください。大会進行に支障がでますので!」

「それは、いけない。」
ウィル子に注意する。噛んで含めるように。大会参加前から失格になるわけにはいかない。


まあなんとか、失格にはならずに済んだ。
結局、ウィル子の種族名は『電子ウイルス』、彼女の強い希望で『電子の精霊』と併記された。

さらに、武器の提示を求められる。事前情報どおり、ここで申請すれば銃や刀剣類の所持ライセンスがもらえるらしい。
大会中に追加で武器を得た場合も、ここで追加申請可能だという。

もっとも、ヒデオらはまったくの徒手空拳。とりあえずは関係の無い話だった。

あとは、『聖魔杯の手引き』という冊子と、チケットという紙幣を数枚わたされる。

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