衝突
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れている。
大地の巫女? アレはジャンゴのみ例外だ。
「かしこまりました……どちらになさいますか……(ゴゴゴゴ……)!!!」
「あわわわわ!? え、え、え、ええっと、こここ、このショートケーキを、ささささ三人前と、も、モンブランを三人前で、お、お願いします!!」
「ありがとうございました。梱包まで少々お待ちください……(ゴゴゴゴ……)!!!」
プレッシャーに圧迫される中、フェイトがオドオドと怯えながら注文をする。そんなフェイトを涙目でアルフが抱きしめているが、フェイトも同じように彼女を抱き返していた。
会計を別の店員と済ませ、ケーキの箱を受け取ったフェイトはそそくさとおれの影に隠れるように近寄ってきた。まるで初めておつかいをした子供みたいだな。
「またお越しくださいませ……(ゴゴゴゴ……)!!!」
それは客としてなのか、それとも別件でなのか、判断に困る。まぁ恐らく両方の意味が込められているのだろうが、彼の内心では後者の方が強調されているな。ま、必要以上に関わるつもりがないおれにはどうでもいいが。
準備も出来たため人目の着かない場所で、おれ達はフェイトの転移魔法で“時の庭園”と呼ばれる彼女達の育った住居に飛んだ。転移した先はそれなりにまともな場所だと思っていたのだが予想と異なり、暗黒城に匹敵するぐらい禍々しい風貌を放っていたが、同時に滅びた太陽都市にも雰囲気は似ている気がした。どちらにせよ、人が住む場所とはどうも言い難いのだが。
『あれ……何でだろう……? ここにいると胸の奥が痛いよ……』
フェイトに案内されている最中、ふよふよと傍で浮いているアリスが時の庭園の様子を見渡して渋面を作って困惑していた。もしやここは幽霊が存在するには厳しい環境なのか? それともアリスだけ特別な何かが作用しているのか?
『ごめんお兄ちゃん、ちょっと避難させて』
辛そうに胸を押さえながらアリスは一旦おれの中に戻って行った。彼女の魂が異常に刺激を強く受け、疲弊しているのがわかる。念のため魂が落ち着くまで大人しくするよう釘を刺す。
「二人はちょっとここで待ってて」
他より大きく意匠が凝らされた扉の前でそう言ったフェイトだが、彼女はまるで背伸びして何かに耐えるような表情をしていた。拒否する理由も思い浮かばないため、とりあえずアルフ共々従い、フェイトは扉の中に入った。しかし……、
「アルフ。おれも普通の家族関係に詳しい訳では無いが、実の母に会いに行くというのは、あのような顔をするものなのか?」
「………………」
いつも活発的で元気なはずのアルフは言葉を返さずに座り込むと、何かから逃避するように膝を抱えて額を押し付ける。訝しく思ったおれは、扉の向こうの様子を耳をそばだてて伺った
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