憑依
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ういう嘘はついとらん?」
「ついてない。それより部屋に戻るぞ。これ以上いると、恐怖でおまえが泣きそうだ」
「な、泣いとらんわ! ちゅうか話そらすなぁー!!」
「……まぁ大丈夫だ、はやてが想像するほど酷い火傷でもない」
はやてを軽い動作で背負うことでそのことをアピールすると、強引だがはやても渋々納得してくれた。ちなみに……。
『いいなぁ……お兄ちゃんのおんぶ』
人差し指をくわえたアリスがはやての事を羨ましがっていた。いくらなんでも幽霊にそれは難しいと思うが。
『あ、そうだ……! ふふふ……えーい♪』
「な、なんや!? ゾゾォーっと体が肌寒くなったで!?」
アリスがはやての上に飛びかかったことである意味団子状態になり、疑似的に背負う姿勢にはなった。アリスが見える人間がこれを見たら、明らかに間抜けな恰好だろう。背負う重さ的にははやての分しかないのだが、幽霊が乗っていることを知らないはやてがキョロキョロと困惑して辺りを見回しているため、少しバランスが揺れている。
『それじゃあレッツゴー!』
「なんでこんなに鳥肌が立つん!? え、何か近くにおるんか!?」
「少しだけでいいから、静かにしてくれ……」
その後、温泉に行くのは止めて部屋に戻り、右腕に簡単な応急処置を施している間、高町なのはに勝ったフェイトにこの件で回収したジュエルシードを渡した。まさかもう一つ手に入るとは思わなかったフェイトは朗らかな笑顔で喜びを示すのだった。一方でまるで自分の姿を鏡に映したような容姿の彼女を見たアリスは、軽く後ろ頭をかいて苦笑いをしていた。
『なんか……私にすごくソックリだね、フェイトって』
[だから俺もおまえを初めて見たときは驚いたぞ。フェイトはおまえの子孫なのでは、
とも思ったな。もし……それが事実だとすれば、おまえ実はとんでもない年配だったりするんじゃないのか? 例えば今年で何百歳とか]
『そんなお婆ちゃんどころかご先祖様レベルの年齢だったら、私軽く絶望しちゃうよ……。で、でもホラ? 見た目的には私、あの子より年下じゃない? だから大丈夫……うん、大丈夫……』
[安心したいのもわからんでもないが、真実は得てして残酷なものだと相場が決まっている。幽霊なぞ年齢詐称してて当たり前だ]
『にゃあー!! もう年齢のことは考えさせないでぇ〜!!』
そもそも幽霊に年齢なんて概念があるのか疑わしいが、アリスが嫌だと言うなら年齢のことはタブーにしよう。地雷臭しかしないからな。ともあれ、紆余曲折あったがアリスはフェイトを妹のような存在だと認識することにしたようだ。見えないながらも一緒に寝たり撫でたりと結構可愛がっていた。
「う、う〜ん……? 寒っ……」
対して幽霊が傍にいるせい
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