憑依
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さて……と]…………盗み見とは、魔導師ともあろうものが行儀が悪いな」
『へ? だ、誰かいるの?』
アリスと交信している間に覚えのある気配が二つ、こちらを見ていることに気づいていた。相手は先日の“白い魔導師”高町なのはと“獣”ことユーノ・スクライアだった。
「あ……ごめんなさい」
「フッ……子供は寝る時間だ、さっさと部屋に戻るのだな」
「そのまえに訊かせてください! あなたは魔導師なんですか?」
「残念だが“獣”、おれはそんな真っ当な人間じゃない」
『確かに暴走しているジュエルシードに手を突っ込んでるもんね。おかげで解放されたからアレだけど』
[アリス、文句があるならリンクを解除するぞ?]
『ゴメンゴメン! 別に文句があるわけじゃないんだ。ただ……ね、お兄ちゃんって何か理由があるのかわかんないけど、どうしてか自分の命を粗末にしてる気がしてさ』
[………気のせいだ]
『本当にそうだといいけど……』
「そ、そうですか……それと僕は“獣”じゃなくてユーノ・スクライアです!」
「知ってるが呼ぶ気にならん、出直して来い」
「ガーン!!」
「あの……サバタさんは……」
「悪いが高町なのは、おまえの質問に答えている暇がない。こっちはとんだ拾い物をしてしまったのでな……まったく、こういうのはおれの役割ではないのだが……」
『とか言いながらちゃんと助けてくれるあたり、お兄ちゃんの性格がうかがえるよね♪』
[うるさい、あまり余計なことを言うな]
『べ〜つに、お兄ちゃん以外に私の声が聞こえる人いないし〜? 騒いでたって他の人には誰も聞こえないし〜? ……いいじゃん、死んでからようやく話せる人が見つかったんだもの、少しぐらいはしゃぎたいもん……』
[……はぁ、わかったよ。やりすぎない程度なら許してやる]
『はぁ〜い♪』
念のため魔導師だから交信が傍受されるかもしれないと想定していたが、アリスがちょくちょく会話に混ざっても反応しないあたり、どうやら聞こえてなさそうだ。別に聞かれたところで問題はないのだが。それよりもジュエルシードの対処やアリスの同化でそれなりに時間を食った、はやての所にさっさと戻ろう。
休憩所で待っていたはやては、おれの姿を見るなり無言でしがみついてきた。緊急時とはいえ真っ暗で誰もいない休憩所に一人でいる事に、時間が経って落ち着くと怖くなったらしい。半泣きの彼女を再び背負おうとした際、右腕の火傷に気づかれて力づくで引き寄せられた。
「…………ほんまに呪いもらったんか? 右腕、火傷しとるけど」
「呪いではないが、拾い物はしたな。それにこの程度の火傷なら耐えられる」
「本当はヤバいダメージだったりとか、そ
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