交差
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な友達!」
「そう。でも私にはどうでもいいこと」
その時、またしても一瞬寂しそうな眼を浮かべた彼女。それを目にしたことで彼女のことをもっと知りたいと思うようになりました。そしてジュエルシードを賭けて戦いながら私は彼女に質問を投げ続け、答えてくれるのを待ちました。
でも結局かなわず、私の首筋に彼女の魔力刃を突き付けられたことでレイジングハートが敗北を認めて、ジュエルシードを放出しました。
「悪いことは言わない。これ以上関わらないで」
「そんなの……無理だよ!」
「…………」
戻ってきた狼さんと去っていく彼女に、せめて名前だけでも聞けたらと思って尋ねると「……フェイト・テスタロッサ」と返してから転移していきました。
フェイトちゃん……今は無理でも、いつか絶対に友達になって見せるから!!
とりあえず戦闘で消費した体力が回復したので旅館に戻ることにしました。終始空中戦だったから幸いにも服は汚れなかったので、もし見つかっても家族への言い訳に苦労はしなさそうです。
「ごめん、なのは……僕の力が及ばないばっかりに」
「ユーノ君のせいじゃないよ。私の戦いがまだ下手だから……」
「なのはは十分頑張ってるよ。せめてジュエルシードをどうして集めているのかだけでも聞ければ……」
「危険なことは多分しそうにないけど…………あ」
「どうしたの、なのは? ………あ」
ついユーノ君と二人そろって呆然とした声が出ちゃいました。それもそのはず、私たちの視線の先では、今日も偶然出会ったサバタさんが月明かりに照らされて幻想的な光を全身から発している光景が見えたのです。月と共鳴しているような二つの淡い光はため息しか出ない美しさで、しばらくの間、私とユーノ君は言葉も忘れて見とれていました。
「……盗み見とは、魔導師ともあろうものが行儀が悪いな」
「あ……ごめんなさい」
「フッ……子供は寝る時間だ、さっさと部屋に戻るのだな」
「そのまえに訊かせてください! あなたは魔導師なんですか?」
「残念だが“獣”、おれはそんな真っ当な人間じゃない」
「そ、そうですか……それと僕は“獣”じゃなくてユーノ・スクライアです!」
「知ってるが呼ぶ気にならん、出直して来い」
「ガーン!!」
「あの……サバタさんは……」
「悪いが高町なのは、おまえの質問に答えている暇がない。こっちはとんだ拾い物をしてしまったのでな……まったく、こういうのはおれの役割ではないのだが……」
困ったような……でも嫌では無さそうな顔を浮かべて、サバタさんは立ち去っていきました。私の名前は覚えてもらってたけど、それだけって感じでした。あの人とも出来ればもっと話したいので
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