暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
交差
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
けで、通路側より向こうにいる人はわかりませんでした。だけど窓際だけでも色んな人がいるので、それだけで楽しいです。

「へぇ、ここから見てみると意外に観光客が多く乗ってるわね。何人か同じ旅館に泊まるかもよ?」

「もしかしたら旅館で会うかもしれないけど、知り合いしか普通は気付かないよね」

「知り合いかぁ……居たら居たで面白いかもしれないの」

「ま、私たちの知り合いなんて考えてみれば家族とクラスメート以外に、そういないわよ。……あれ? つまりそれって私たちの交友関係が狭いって事!?」

「あはは……確かに私たちはまだ小学生だし、交友関係なんて普通はそんなものだよ。それに無闇に交友関係を拡げなくても、私は皆が傍にいるだけで十分だよ」

「そ、そう……ありがと……すずか」

「にゃ〜、嬉しいけどなんかここも空気が甘いの」

この時の私は知らなかった。アリサちゃんやすずかちゃんが何の気なしに放った言葉。そこにはいくつかの思惑や真実が混ざっていた事を。







その頃の観光バス内。

「こくん……こくん……」

「ねぇフェイト、旅館に着いたら起こすから寝てても大丈夫だよ?」

「ん……わかったぁ……じゃ〜おやすみぃ…………すぅ……」

「ふむ、乗り物の振動というのは子供に睡眠を促す作用があるのだな。現にはやても陥落寸前だ」

「なにお〜……私はまだ起きとるで……むにゃ」

「我慢するぐらいなら大人しく寝ておけ。どうせ着くまで暇な事に変わりないのだからな」

「むー……そんならサバタ兄ちゃんの膝借りるで〜……ぱたり」

「まったく……まるで“ひまわり”を相手にしている気分だ」

「ほっほっほっ、兄妹仲がよろしいですね〜」

「うむうむ、可愛い孫を見ているようじゃのう〜」

「なんかあたしら、爺ちゃん婆ちゃんたちに微笑ましい感じで見られてるよ?」

「今更気にするなアルフ。年配者が多いこのバスでおれ達が浮いているのは乗る前からわかっていたはずだ」

「そうだけどさ……やっぱりちょっとむず痒いよ〜」

そんな感じであった。








旅館に着いてチェックインした後、私たちはさっそく温泉に向かいました。それでユーノ君も連れて行こうとしたら、なぜかすごく嫌がっていました。フェレットだから大丈夫なはずなのに、どうしてだろう? でもアリサちゃんとすずかちゃんが出し抜くようにユーノ君を風の如くさらっていったので、結局一緒に浸かる事が出来ました。ただ温泉に入っている間、ずっと念話で念仏のような事をしてたけど……そんなに恥ずかしい事なのかな?

「―――兄ちゃん、身体に傷多いけどめっちゃ肌スッベスベやん! なんか女として負けた気がするで……ぺちぺち」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ