邂逅
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あれから数日……。
はやてとの散歩のおかげでこの街の地理は大方把握し、夜に行うフェイト達とのジュエルシード捜索で有効に活用できた。と言ったものの、見つけたジュエルシードは神社の以外だと1個しか手に入れておらず、あまりにスローペース過ぎて先が思いやられる。
例のヴァンパイアもあれきり姿を見せずにおり、イモータルの行方が知れない現状に内心もどかしさを感じている。
そんな状況だと言うのに、八神家で厄介な事態が発生した。それは……、
「ごめんな〜……私としたことが風邪をひいてしまうなんて……」
家主のはやてが風邪をひいた。いや、実際は彼女だけではない。
「げほっげほっ! ご、ごめんね……はやて。私が転んだせいで……」
「だ〜いじょ〜ぶや〜、気にせんでもええよ〜。けど、私もフェイトちゃんもさっさと風邪を治さないとな〜……クシュン!」
はやての隣で寝ているフェイトが弱った状態で申し訳なさそうにしていた。そう、彼女も同じ時に風邪をひいてしまったのだ。
昨日、フェイトたちが寝泊まりしている二階の部屋が諸事情で埃っぽかったので大掃除をしていた途中、フェイトが水を入れ替えたバケツを運んでいたら階段でうっかり転んで、偶然前を通りかかったはやても一緒に水を被ったのが原因だろう。なお、フェイトが滑ったのは一階のすぐ近くだから二人に怪我はなかった。
「病人は大人しく寝ていろ、風邪が悪化したらどうする?」
「うん……」
「い〜つもすまないねぇ〜」
「ネタに走る余裕があるなら心配いらないな。それはそうと……」
「ハックション!! すっごい肌寒いよぉ〜……! あたし……ちゃんと治るのかなぁ……」
「なぜ水を被っていないアルフまで風邪をひいてるのだ……?」
もしや使い魔だからフェイトの病気がパスを通じて移ったのかもしれない。真偽がどうであれ、この家の人間はおれ以外全員病床に伏している。つまりおれ一人で彼女達の看病をするしかないのだ。
ちなみに今朝、彼女達が風邪をひいていると気づいてから看病しやすいように居間に布団を運んで全員を寝かせている。不幸中の幸いか、一人じゃないから孤独感は紛れるはず……。そう考えると俺達がこの家に来なかったらはやては一人で闘病する羽目になっていたのか?
年齢が10にも満たない少女が自分以外に誰もいない家で風邪をひき、誰も看病してくれないまま布団の中で孤独に震える……そんな光景を想像した。なんだこの寂し過ぎる光景は。……真面目に看病してやろう。
「ちゃんと風邪薬を飲んだから後はしっかり寝れば治るはずやけど……サバタ兄ちゃん、念のため薬を補充しといてくれる?」
はやて達の額に張った冷えたシートを替えている時、買い物を頼まれた。彼女達が動けない以上、健康なおれが行くし
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