21木場至る
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使える者に憧れを抱いた。
その想いは高まり、聖剣を使える者を人工的に創り出す研究に没頭する様になったのだよ。
そして完成した。君達のお陰だ」
「完成?僕達を失敗作だと断じて処分したじゃないか・・・」
バルパーの言葉にある事に気が付いた俺はその答えを言う。
「あの聖剣計画の真の目的は"聖なる因子を被験者から抽出し、結晶を作り上げる"事だろう」
何故、そんな答えが解ったのか・・・。
それはレナとアーシアの件だ。
かつて、レナはアーシアの神器を奪い至高な存在になろうとした。
〜他人の神器を抜き取り、自分の者とする〜
レナからの情報やあの時に調べた教会の装置を理解したからこそ辿り着いた答えだ。
すると、バルパーは懐から光っている水晶のようなものを取り出した。
それを見た木場は声を張り上げた。
「同志たちを殺して、聖剣の適性因子だけを取り除いたのか!?」
「そうだ、この球体はその時のものだ。三つほどフリードたちに使ったがね。これは最後の一つだ」
バルパーは結晶をかざしながらそう言っていたが木場は特大の殺気を出しながら再び口を開いた。
「・・・バルパー・ガリレイ。自分の研究、自分の欲望のために、どれだけの命を弄んだんだ・・・!!」
「ふん。それだけ言うのならば、この因子の結晶を貴様にくれてやる。
環境が整えば、後で量産出来る段階まで研究はきている。まずはこの町をコカビエルと共に破壊しよう。
後は世界の各地で保管されている伝説の聖剣をかき集めようか。
そして聖剣使いを量産し、統合されたエクスカリバーを用いて、ミカエルとヴァチカンに戦争を仕掛けてくれる。
私を断罪した愚かな天使どもと信徒どもに私の研究を見せ付けてやるのだよ」
バルパーは持っていた因子の結晶を放り投げた。
木場は足元に行き着きついた結晶を拾うと哀しそうに、愛しそうに、懐かしそうに撫でた。
そして木場の目から涙が流れる。
すると結晶が淡く光り始め、徐々に広がっていき、校庭を包み込んだ。
地面から光が浮いてきて形を成していった、木場を囲うように、光が人の形に形成されていった
「これは・・・一体?」
朱乃が分かったように口を開いた。
「きっと、この戦場に漂う様々な力が因子の球体から魂を解き放ったのです」
今この場には魔剣、聖剣、悪魔、堕天使、聖獣フェニックスと言った強力な力が集合している。
そして、形を成した光。聖剣計画の犠牲となった人達だと理解出来た。
「皆!僕は!僕は!!ずっと、ずっと思っていたんだ。
僕が、僕だけが生きていて良いのかって。僕よりも夢を持った子がいた。
僕よりも生きたかった子がいた。
僕だけが平和な暮らしを過ごして良いのかって・・・」
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