第九十話 それぞれの決意
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君。今のメールは誰から?」
ルカ「アリシアからです」
リンディ「あらあら」
ふふふ、と怪しげな笑みを浮かべているリンディは明らかに井戸端会議に花を咲かせるおばちゃんの顔をしている。
クロノ「母さん。ルカはまだ7歳だ。恋愛なんてまだ早い」
エイミィ「恋に歳なんて関係ないよ。ねえルカ君?」
ルカ「コイ?コイって魚の鯉ですか?」
エイミィ「ちょっと違うの、恋愛の恋っていうのは…」
リンディ「エイミィ…ちょっとどころか全然違うわ…やっぱりまだ早いかしら?」
クロノ「当然だ」
リンディが皿をテーブルに置く。
全員[頂きます]
ルカはハンバーグを一口に切り分けると口に運ぶ。
味は美味しい。
文句なしで美味しい。
ただ…。
リンディ「あら?ルカさん、口に合わなかったかしら?」
ルカ「い、いいえ、とても美味しいですよ。」
ルカが渋い表情だったのは料理が口に合わないからではない。
ルカ「(美味しいから沢山食べたいけど、僕、食べる量が半端じゃないから。満腹になるまで食べてしまったらリンディさんに苦労かけてしまうし…凄く残念だったから、それが顔に出たのかも…)」
大食漢が何人もいるナカジマ家ならルカも満足な量を食べられたが、流石にハラオウン家は全員普通の量を食べていた。
後でコンビニで何か買おうとルカは心の中でも決めた。
ちなみにこれがルカの好物がコンビニ弁当になるきっかけになった瞬間でもある。
ルカ「(あれ?)」
部屋の隅に1つの写真立てが置かれていた。
写真にはリンディと幼いクロノ。
そしてクロノに似た男性がいた。
ルカは何故か目を離せなかったが、食事を続けた。
ルカ「…ご馳走様でした。とても美味しかったです」
ルカはそう言うと席を立った。
フレイモン[(食い足りないんだろうな…)]
フレイモンはルカを見て胸中でぼやいた。
リンディ「ああ、そうだわ」
ルカ「?」
リンディ「ルカさん、食い逃げするようなお友達はお友達とは言わないわ。ちゃんと分別つけなさいね」
フレイモン[え゙?]
弾かれるようにリンディを見たルカとフレイモンは、顔を引き攣らせる。
ルカ「え…?」
リンディ「エイミィが此処に来る途中であなた達を見たのよ。アイスクリーム屋さんで食い逃げした子供がいたらしくてね。代わりにあなたがお金を払ってあげてるの見た人がいるらしいのよ。その子達と仲良く話してるのを見た人もね。ルカさんは優しいから肩代わりしてあげたんでしょうけど、それはあの子達のためにはならないわ。」
ルカ「は、はい…気を付けます…」
フレイモン[でもなあ…]
ルカ「いいんですよ…どうやって説明しろって言うん
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