八十三 音の五人衆
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歩リードしたという事実に繋がる。
けれどその反面、サスケ自身に降り掛かる負担が重過ぎるのも事実だ。
「…―――覚悟はあるんだね?」
腰を落ち着かせた綱手は手を組んで、サスケに再確認した。
今すぐにでも反論したいとわななく口許を覆い隠して。
綱手の最終確認に、サスケは一度眼を閉じた。
瞼の裏に浮かぶのは、己の目的であり目標であった男の姿―――うちはイタチ。
兄に対して、幼き頃に抱いたのは純粋な憧れ。以前までならば、純粋な殺意。
そして真実を知った現在、彼がイタチに抱いたのは純粋な敬意であった。
兄のようになりたい、とそう願っていた。兄のようでありたい、とそう望んでいた。
だから彼と同じ道を進もうと、サスケは決意したのだ。かつて木ノ葉とうちは一族の二重スパイとして生き、そして暁に潜入したイタチの軌跡を辿るように。
以上から、サスケは綱手に最後通告をする。己の身に襲い掛かる苦難への道程の第一歩を彼は自ら踏み出した。
大蛇丸の許で力を得る代償として、木ノ葉に尽くす。兄弟共に選んだ道は自己犠牲に他ならないが、その一方やはりサスケは復讐者であった。
大蛇丸の許へ行けば、憎き仇であるうずまきナルトの情報を得られるかもしれない。以前ナルトと行動を共にしていた君麻呂や多由也が音の里にいるのだ。ナルトが音にいないという保証が何処にあるだろうか。
現時点でサスケは賢明な判断で答えを導き出した。たとえそれが原因で、他の誰かが道を誤ったとしても。
そしてサスケの根底に、うずまきナルトを殺す目的があったとしても。
仲間とは相容れない道を、それでいて木ノ葉との繋がりを切らさない方法を彼は選んだのだった。
「今夜、俺は木ノ葉を抜ける」
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