4部分:第四章
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第四章
「全軍突撃!」
「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
「やってやる!!」
彼等は雄叫びと共にソ連軍の大軍に向かって突き進む。それを見たソ連軍はだ。
すぐに彼等に対して攻撃を仕掛けた。忽ち砲撃の音が轟く。
「いいか!」
「はい!」
「散陣ですね!」
「そうだ、まずは散れ!」
スッタは軍の先頭から彼等に告げる。
「敵の攻撃は当たらん!」
「相変わらず熊共は攻撃の数は多いですが」
「的に当てるのは下手ですからね」
「だからここは」
「そうだ、散れ」
地点攻撃は得意とするが目標を狙うことにはどちらかというと不得意なソ連軍の戦術は帝政ロシアの頃からの伝統と言ってよかった。
「砲撃は受けるなよ」
「へっ、弾の方からよけてくれますけれどね」
「そうそう」
彼等はここでも強気だった。
「けれどここはですね」
「散ってそれで」
「敵に向かいましょう」
「そうだ、散陣だ!」
また言うスッタだった。
「そしてだ」
「至近距離で銃撃を放って」
「それからはですね」
「サーベルを抜いて斬る」
やはりいつも通りだった。
「いいな」
「了解です!」
「今日も見せてやりましょう、フィンランド騎兵の心意気」
「俺達の戦いを!」
「行くぞ!」
ここでのスッタの言葉は一言だった。そしてだ。
騎兵隊は散開しそれで敵の砲撃や銃撃を潜り抜けて先に進む。砲撃の音と炸裂する爆発が彼等の中に起こる。しかし彼等はそれでも突き進む。
馬の足元には銃撃が来る。それでぬかるみかけている土が跳ね返る。しかしそれでも馬達は進み。遂にその距離に来た。
ここでだ。騎兵達は一斉に銃を放った。
「撃て!」
「撃て!」
騎兵隊の攻撃は突撃しながらなので照準は甘い。しかしであった。
密集しているソ連軍の歩兵達を撃った。それで何人かが倒れた。
「くそっ、来たぞ!」
「フィンランドの奴等が来た!」
「迎撃だ!」
「突っ込ませるな!」
「ふん、遅い!」
だがここでスッタがその彼等を見ながら言った。
「その程度の動きでだ!」
「ええ、隊長」
「次はですね」
「そうだ。サーベルだ」
やはりそれであった。
「斬って斬って斬りまくれ、いいな!」
「はい!」
「やってやりましょう!」
そしてサーベルを抜いてだ。敵に斬り込む。
血煙が起こり敵兵達が倒れていく。馬がその倒れた兵士達を踏み躙る。そのうえで彼等は敵軍の中を暴れ回っていく。
それを受けてだ。ソ連軍も彼等を何とか追い返そうとする。
「撃て!撃ちまくれ!」
「殺せ!」
「フィンランドの時代遅れ共を殺せ!」
こう叫んでいた。そしてだ。
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