第八話
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いたことで固まっているのか、それとも呆れているのか、彼女は喋ろうとしない。声をかけようか、と思い始めたところで顔をあげて、
「夢予告」
そのつぶやきと同時に、俺は夢を見た。
今目の前にいる彼女が手を差し出し、俺はその手に自分の手を重ねる。ただ、それだけの夢を。
そして目を開くと……それと全く同じ光景が、目の前に有った。
なので、俺はためらうことなく、手を重ねる。握手に、応じる。
「アンタ………本当に、バカ。大バカね」
「……え、今の声……」
そう思った次の瞬間には、目の前は元の風景に戻っていた。俺はそれを、
タラリラリーン。
という、Dフォンから流れた音で気付いた。
それにホッとしていると、携帯が……普通の、元から持っていた携帯が震えだす。
それを誰からの着信なのかすら確認せずに通話状態にして、耳に当てる。
「はい、もしもし」
『あ、もしもーし!お夕飯の準備、始めちゃっても大丈夫〜?』
「うん、大丈夫だよ姉さん。すぐに帰るから」
『りょーかーい。それじゃ、待ってるよー』
そう言って電話が切れ、俺は完全に戻ってこれたことを知った。
何が何だか、まだ分かって無いんだけど、とりあえず。
「帰るか」
今日の夕食は、何だろな。
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