第八話
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夢と同じことをしないようにしてね?』
だったら、その通りに動かなければ割とどうにかなるのではなかろうか……それに、俺がここ最近で見た自分が死ぬような夢は、二つ。授業中に見たものの黒猫バージョンと白猫バージョンだけである。だから、もう大丈夫……と、高をくくったのが間違いだった。
その瞬間、夢を見た。
慣れ親しんだ見た目であるコンビニを見つけ、引き寄せられるように近づいていった俺は、たどり着く直前に男に殴り飛ばされ、そのまま殴られ続けて死んだ。
偶然外れかけになっている状態で放置されているマンホールを見つけ、その中に飛び込んだ。そしてそこを走り続け……三つ目の地上に出られる場所を通りづぎたところでボロボロの服を着た人に襲われ、頭を何かしらの鈍器で殴られて死んだ。
何も見つからない街に出て慌てたのか、ひたすら走り続ける俺がいた。疲れきって転んでしまい、起き上がれないでいるときれいな女の人が俺を覗きこんできて、そのまま銃で撃たれて死んでしまった。
「……追加、ってことかね。だとしたらこれ、終わりがないぞ……」
白昼夢、ではないな。あれは完全に夢だった。あの一瞬の間、俺は眠っていたのだ。つまり、相手は俺を意図的に眠らせ、夢を見せることができる。
ネットなんかでは一回きりなんだけど……アレクの話していた通り、そう優しくも無いらしい。さて、まずは……
「どうせ何も分からないなら、何か起こるまでは気にせず動くとしよう」
これはおそらく、後手に回ってもどうにか生き残ることはできるタイプだ。だからこそ……そう思ってしまったからこそ、俺はこの選択肢を取った。後で後悔するとも知らずに。
◆2010‐??‐??T??:??:?? “???”
「こ、これ……思ってた以上にキツイ……」
息を切らせた状態で座り込んで、そう呟く。今座っているのはアスファルトの上、何の変哲もない道だ。そこに電柱を背もたれにして座っている。
気を休めると無意識のうちに夢と同じ行動をとってしまうので、体だけを休める感じで。今日、体育が無くて本当によかった……まだ、水分は残ってる。
「これも……弾が一発だけ、とかじゃなかったし」
とはいえ、武器がどこまで通用するのかは全く分からない。一切効かないのかもしれないが、気休め程度にはなる。といっても、射撃をやるにあたって大前提として『たとえ弾が出ないものであっても人には向けるな』と習うから、ちょっと抵抗があるんだけど……そうもいっていられない。何より、自分自身の命がかかっているのだ。使える物は使わないと。『夢とは違う行動をとる』、という点に関して言えば様々な行動を取れた方がいいし。とはいえ……
「早いとこどうにかする方法を見つけないと、いつか夢の通りに動くだろうなぁ…
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