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少年は旅行をするようです
少年は剣の世界で城を上るようです 第八層
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一本目を飲み終わった所でキリトが吹っ飛ばされて隣に着地する。


「チッ…ボスがあんな能力持ってるとはな。どうする?」

「安心しろ、ありゃ俺のソードスキルの効果だ。」

「はぁ!?クリダメ食らって敵のHP回復させるって、何の為に?」


ポーションをポイポイ投げながら、その疑問に答える。

さっきの"観世音菩薩"は攻撃を受け止める所から始まる。一撃を入れると

自分のHPを最大値の8割消費、敵のHPを3割回復させる。

その上150秒間一切のソードスキルが使用不能になるが―――


「回復後5秒以内に同じ箇所に攻撃で9割ダメージ………。ピーキーにも程が

あるだろ。ボスにも有効ってのが救い、ってか最大のウリか。」

「ま、今回みたいなおっそいの相手限定だがな、っとーよっし全快!」

「全快は良いけど、どうしようもないだろ。後ろで黙ってな!」

「そりゃそうだ、任せた。」


嘆息するとキリトは飛び出し、また最前線に戻る。

手持ち無沙汰になったので後ろを盗み見る。前列にはトップ組の長物持ち。

そして後列に速度特化(シーフ)と中堅プレイヤー達。つまり黒猫団がいる。

しかし、今の所心配はない。どう見ても全員ボスにビビッている。


「(しかし嫌な予感がする・・・どう考えてもこの間の女王様の方がめんどいし

強い。調査も五割前までしか見なかったし、その先か。)ノワール!あと80秒ー!」

「了解ー!」


スイッチまでの秒数を伝えると、ノワールは盾持ちを後ろに下がらせ、

自分で攻める。それに合わせたのかキリト・ヒースクリフ・アスナと数名が

それぞれ三方向から剣戟を浴びせる。四方向からの攻撃の嵐に、HPバーの減りが

早まり、残り45秒となった所で半分を割った。瞬間。


『ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』
ヅッズゥゥン!!
「な、にっ……!?」

「おわぁぁああああ!?」


鈍重さなど感じさせない、いや、ソードスキルを超える速度を持って全拳が

振り下ろされ、ボス間全てに地響きが奔る。

トップ勢の十人程は一撃目を躱したが、僅かな間を空けて奔った二・三撃目に

足を掬われ、立っていたのはそれをもガードしたヒースクリフと、二段ジャンプで

滞空時間を稼げた俺だけ。


「シュウマ君!!」

「マジかよ……高くつくぞ!」

「幾らでも付けたまえ!!」

「いぃよっしゃぁ!!」


言質を取った所で飛び出す。今まさにアスナとKoBに振り下ろされようとした

左三本を円に切り裂く"輪廻転生"を真似た一撃を空中で繰り出し、弾く。

押し出されたその反動
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