少年は剣の世界で城を上るようです 第八層
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る中、俺だけが"流転"で受け流す為後ろに誰も
いない。ちょっと寂しい。
しかしこいつは面倒だ。幾ら攻撃を受け流しても体制を崩さないせいで、攻撃役の
連中がイライラし始める。・・・いくら作戦を立てようとも焦れるのは仕方ないが、
こいつに安全に攻撃出来るのは、大振りが来た時だけなのだ。
「仕方ない、仕掛けるか。アリアー!"嵐舞"に変更!」
「ん、了解。」
優雅に舞っていたまま、更に加速する。段々と踊りは苛烈になり、魅せる舞は
技名通り嵐となる。同時、俺とノワールとアリアを風の様なエフェクトが包む。
速度上昇バフを受けた俺は次の攻撃を受け流し、その反動で加速。"疾走"と
"曲芸"の混合派生パッシヴ、滑空ならぬ"滑地"で一気に距離を詰める。
それを見たボスが他に回していた腕を二本こちらに向け、その巨大な戦槌が如き
拳を同時に振り下ろして来る。
「ビンゴ…!"泰山府君"!!」
ドドドッ!!
『ゴゥア……ッ!?』
「続いて"鎧舞"!」
「りょー、かい。」
普通ならば大盾でも防げないそれを、下段からの打ち上げ三連撃で容易く弾く。
至近距離まで近づかれた時の対応AIを調査で知っていたからこそ出来た対応だが、
ここからが問題。幾ら速度が上がっていてもこちらの武器は大きく弾かれ、
ほぼ真後ろまで引かれている。対したボスの拳は、既に一つが振り下ろされる直前。
普通なら食らうしかないが、生憎、今の俺は普通じゃない。
『ガァァッ!!』
ゴッ!
「シュウマ!!」
焦った叫びを上げるキリトにひらひら手を振り、そのまま左手を無造作に挙げる。
同時に防御上昇バフの"鎧舞"が発動。緑色の光が俺達を包み込み、更に左手が
オーロラのような黄色と薄紫の光を放つ。そして―――!!
ド ン ッ ! !
「"観世音――」
『ギッ「"菩薩"!!!」
ザンッ!!
『ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』
左手でボスの拳を受け止め、空いた胴体にクリティカルの斬撃。
怯んでいる間に下がると、俺のHPバーが一瞬で最大値の8割削られる。
更にバーの下に剣に×マークが付いたアイコンが表示され、ボスのHPが、
みみみっ
「……ふぁ?」
「っちょ、え!?」
3割、回復する。つまり今まで減らした分のダメージが全快した。
殆どのプレイヤーが固まる中、俺とスイッチしたノワールの4連撃がヒットし、
微妙にHPが削られる。それを機に全員が再起動し、重い金属音が断続的に響く。
それを確認し、買って来た一等のポーションのがぶ飲みを開始する。
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