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少年は旅行をするようです
少年は剣の世界で城を上るようです 第七層
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『ウジウジしてるのが嫌いっぽいかなぁ?』

ってキリト君も言ってたし!よし、頑張れ私!

………
……


「ここ・・・。」

「ここかぁー!私も良く使ってる店だから店長さんは知り合いなん、だけど……。

取り敢えず入ってみよっか。」


アリアちゃんに連れられて来た店は、ここフローリアの花々しさにも負けないピンクの可愛い

店だった。街・迷宮区・フィールド。階層全てに花が咲き乱れるここフローリアは

別名"フラワーガーデン"と呼ばれ、女の子にも人気なんだけど、その、なんて言うか・・・

カップルにも人気なのだ。そのせいかな・・・さっきから妙に注目されてるのよね。

アリアちゃんは気にしてないみたいだけど。

カランカラーン
「こんにちはー。」

「・・・ちわ。」


店に入ると、最初に目についたのはこれでもかと並べられた数多くのアクセサリー。

壁側には服や、店内にあっても違和感がない程の装飾過多な武器や鞘、KoBの鎧ような

騎士服。そして店の奥・・・カウンターに立つ、天井にまで届きそうな巨大な影が、

低い声で応えた。


「……おう。アスナ嬢ちゃんと、いつぞやのド派手一家の娘っ子かい。」

「お久しぶりですシグさん。その、今日はアリアちゃんが欲しい物があるって……。」

「・・・ん。」


ここ"ラヴァーズ・アガペー"の店長シグさん。・・・階層の雰囲気に似合った名前と

店構えに誰もが嬉々と入店して、そのほぼ全員が店長の顔を見て逃げて行ったのは、

女性プレイヤーの間では誰もが知ってる伝説だ。そしてまぁ、ほぼ全員に

入らないのがこの子達なんだけれど。その指差した先を見ると、カウンターの後ろ、

シクラメンの花の髪飾りが一つ、額の中に飾られていた。


「やれやれ、またそいつの交渉かい。何度も言うがいくら金詰まれたって売らねぇぜ。

そいつぁ死んだ友人の形見で、俺の命を救ってくれたお守りだ。」

「・・・知ってる。だから、ママにあげたいの。」

「ったぁー……参ったなぁ。」


ドレッドヘアをガシガシかいて困った顔をする大男と、それをおねだりするように

見上げ続ける女の子。・・・何なんだろう、この状況。しかもシグさん、何度もって

言ってたよね?なんかすごーく気になる話が聞こえて来たけど・・・。


「あの、シグさん。形見とお守りってどういうことですか……?」

「あ?あー、別に隠してる訳じゃねぇんだが……そのままの意味だよ。

友人だった女が装備してたんだが、死んでな。その時に共通タブに残ってたのを

インベに移しといたんだ。で、素材集めに行く時ふと装備して――いや、行っとくが


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